こんにちは。冨樫純です。
倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
ミルの他者危害原則
ベンサムの弟子の一人であるJ・S・ミルのいわゆる他者危害原則は、規則功利主義が支持する「二次的な規則」として理解することができる。
他者危害原則とは、ミルが『自由論』で定式化した、次のような自由主義の大原則のことだ。
各人は他人に危害を与えないかぎり自由に行為することを許されるべきであり、たとえ他の人がある行為をすることが当人のためになると思ったからといって、それを当人の意思に反して押しつけることは許されない。
ミルはこのように述べ、個人の言論の自由や行動の自由を擁護した。
一見すると、ミルは個人の自由を何よりも重視しているように思われる。
これは、社会全体の幸福の増大を目指す功利主義の理念から逸脱しているように見えるかもしれない。
行為功利主義者であれば、個々のケースを功利主義的に判断した場合、個人の自由を制限した方が社会全体の幸福にとってはよいこともあると主張するだろう。
しかしミルは、そのようには考えなかった。むしろ、他人に危害を与えないかぎりにおいて個人の自由を保障するという規則を社会が採用した方が、個人の自由に絶えず介入しようとする社会よりも、長い目で見ると全体として大きな幸福が得られると考えたのだ。
二次的規則を重視するこの考え方は、ミルの『功利主義論』 でも詳しく論じられている。
つまり、ミルが考えていたのは、功利原理そのものを個々のケースに当てはめて考えるというよりは、功利主義の精神に則った道徳規則や法律を作るということが念頭にあったということだ。
感想
他人に危害を与えないかぎりにおいて個人の自由を保障するという規則を社会が採用した方が、個人の自由に絶えず介入しようとする社会よりも、長い目で見ると全体として大きな幸福が得られるとミルは考えたそうですが、個人的には説得力に欠けると思います。
下記の本を參考にしました
『功利主義入門』
児玉聡