こんにちは。冨樫純です。
倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
わら人形攻撃(非呪術)
一般に、功利主義の批判者は、功利主義を「行為功利主義」かつ「直接功利主義」、つまりフェヌロン大司教の例におけるゴドウィンのような立場を念頭に批判することが多い。
だが、それではわら人形攻撃になる可能性が高いのだ。
わら人形攻撃とは、 わら人形に釘を指すと本人が傷を負うという呪術的な攻撃の仕方を指すのではなく、本人を批判しているつもりで自分がこしらえた全くの別物(わら人形)を批判している事態を指す。
つまり、相手の議論を戯画化するあまり、実は誰も採用していないような立場を批判するというこ
とだ。
功利主義は誤解されることが多い立場なので、功利主義に対する批判は往々にしてこのわら人形攻撃になってしまっている。
現在の功利主義者の多くは、大なり小なり 「規則功利主義」と「間接功利主義」の立場を取っている。
つまり、彼らは普段、功利原理ではなく「約束を守る」「家族や友人を大事にする」「浮気はしない」などの道徳的義務や規則に従って行為しているので、功利主義的思考はほとんど表に出てこない。
すると、賢明な読者は、こう突っ込みたくなるかもしれない。
「それでは功利主義者ではない人の考え方と同じではないのか。そのいったいどこが功利主義的なのか」と。
感想
彼らは普段、功利原理ではなく「約束を守る」「家族や友人を大事にする」「浮気はしない」などの道徳的義務や規則に従って行為しているので、功利主義的思考はほとんど表に出てこない、
という箇所がおもしろいと思いました。
ただ、何故表に出て来ないのかという疑問は残りました。
下記の本を參考にしました
『功利主義入門』
児玉聡