とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

市場経済と交換不可能財

こんにちは。冨樫純です。

 


法哲学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


市場経済が進むほど 「金で買えないもの」は増える。

 


リバタリアニズムも「非経済的価値」「お金では買えない価値」「かけがえのない価値」を大切にする。

 


しかし、それはあくまでも本人が対象をそのように評価しているからであって、自分の支配するものを経済的に交換しようとする人の意に反してまで、その対象の交換や譲渡を禁ずるものではなかった。

 


すると自由経済は、人々に豊かな財を供給することによって、金では買えないものを減少させるどころか、逆に増加させていることになるだろう。

 


なぜなら、人は豊かになればなるほど、自分にとって特別に重要な自分の財を、他の誰も買い取ろうとは考えなくなるほど高く評価するようになるからである。

 


これに対して、貧しい人々は、自分が大切にしているものでも、高額の金銭と引き換えになら売る気になりやすい。

 


「交換可能消費財がはるかに豊富であるというまさにその事実によって、各個人は交換不可能財をより多く享受することができる。

 


・・・・・貨幣経済の確立は交換不可能財の重要性の軽視に導く傾向があるという、よくある非

難に反して、その結果は逆である。

 


貧しい人は交換可能財で測った『生活水準』が高い人よりも、交換不可能財を交換可能財よりもはるかに好まないであろう」(ロスバード『人間、

経済及び国家』第三章)。

 


今日の日本で臓器売買がほとんど存在しないのは、日本人がそれだけ豊かだからである。

 


開発途上国に臓器を売る人々がいるのは、彼らが貧しいからである。彼らに対してすべきなのは、彼らが十分な情報に基づいて) 臓器を売ることをわれわれの価値観に基づいて禁止して彼らが困窮から抜け出す機会を奪うことではなくて、市場経済への障壁を廃止して彼らを豊かにすることである。

 


感想

 


たしかに、貧しい人々にとっては交換不可能財はないかもしれないと思いました。

 


下記の本を參考にしました

 


『自由はどこまで可能か』

 リバタリアニズム入門

 森村 進

 講談社現代新書

 

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