こんにちは。冨樫純です。
法哲学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
自己奴隷化と臓器売買の自由
身体所有権としての自己所有権テーゼの帰結の中には、多くの人々の道徳的直観に反するものもある。
たとえば自分を奴隷化する契約や臓器売買の契約の禁止が、有効なものとして認められるとする。
各人が自分の身体への所有権を持っているとすると、所有権は対象物を支配する権限だけでなく、それを譲渡したり処分したりする権限も含んでいるはずだから、人は自分の臓器を売買したり、自分を別人の奴隷として引き渡す(つまり自己所有権を譲渡する)契約をしたり、自分の生命を売ることもできるという帰結に至る。
この帰結は非常識と思われて、 多 くの人にとって受け入れがたいだろう。臓器売買や自己奴隷契約を認めている国は現在存在しないようだ。 自己決定の尊重を説く自由主義者たちも、たいていの場合、そこまでは自己決定を認めようとしない。
しかし、個人の自由を尊重するならなぜ、自己奴隷化や臓器売買を禁止できるのかは、簡単には説明できない。もしわれわれが個人の自由に重きを置かないならば、自己奴隷化や臓器売買の禁止はたやすく正当化できるだろう。
その禁止が正当化できるなら、それは自己所有権テーゼに対する反論ともなるのである。
感想
各人が自分の身体への所有権を持っているとすると、所有権は対象物を支配する権限だけでなく、それを譲渡したり処分したりする権限も含んでいるはずだから、人は自分の臓器を売買したり、自分を別人の奴隷として引き渡す(つまり自己所有権
を譲渡する)契約をしたり、自分の生命を売ることもできるという帰結に至る。
という箇所がおもしろいと思いました。
臓器や血を売ることもありうると解釈できるので。
下記の本を參考にしました
『自由はどこまで可能か』
リバタリアニズム入門
森村 進