とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

「健康で文化的な最低限度の生活」の決定者

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、憲法を学んでいます

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


立法部、行政部の役割と裁判所の役割

 


現在のわが国における「健康で文化的な最低限度の生活」の内容はだれが決定できるのでしょうか。

 


その内容を決定するためには、衣服費、食費、住居費、医療費、勤労者世帯の年間収入と支出、物価上昇率などのデータが必要となります。

 


そのようなデータを収集、保持し、 総合的に分析できるのは、立法部、行政部でしょう。

 


ですから、「健康で文化的な最低限度の生活」の内容の決定と実現は、立法部、行政部の主導の下で行われることになります。

 


しかし、裁判所がこの問題にまったく関与できないのかといえば、そうではありません。

 


たしかに、裁判所には 「健康で文化的な最低限度の生活」の全体像をくまなく示す能力まではありませんが、立法部、行政部が定めた生活保護費の総額があまりに低すぎて「健康で文化的な最低限度の生活」とはいえないと判断したり、○○のない生活は 「健康で文化的な最低限度の生活」 とはいえないと判断することは可能です。

 


このように、裁判所が憲法25条違反との判決を下すことは可能であり、最高裁判所もその可能性自体は肯定しています。

 


ただ、表現の自由や信教の自由の場合と比べると、立法部と行政部の判断を尊重すべき度合いが大きいにすぎません。

 


感想

 


裁判所も「健康で文化的な最低限度の生活」の内容の決定に関与できることに驚きました。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい 憲法入門』

 初宿 正典 他2名

 有斐閣アルマ

 

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