こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本を選んだ理由
画家が芸術について語っているので、興味があり、購入しました。
②こんな本です
『美術の核心』
千住博著
芸術に関心がある人はごく一部。
大多数は美術オンチといわれる日本人。
その汚名をこの一冊で返上。
芸術は本当は面白い!もの。
学校では教えてくれない美術の本質がここにある。
③ こんな言葉が印象に残りました
伊能図などと聞いても、何か聞きなれないな、と感じるでしょう。 伊能図とは伊能忠敬が作製した日本地図のことです。
実はこの地図には、とても大きな意味があるのです。
描かれたのは江戸時代。それは今日の私たちの生活のおおよそ全ての基礎がつくられたと言っていい時代でした。その265年間は戦いのなかった平和な時代。
鎖国ということも手伝い、当然文化は爛熟し、パリのベル・エポックと並び、世界史上においても希有な個性的な文化の発芽、足跡を残した偉大な時代だったのです。
その大きな特長として、中世からの神や仏の力が微力化したことがあげられます。人々は彼岸、即ち来世ではなく、この世、即ち此岸に強く関心を持つようになりました。
そして世俗的なものが洗練され、高度に発達してゆきます。それは浮世絵から歌舞伎、絵画、彫刻などおおよそ全ての分野に表われたのです。
また〝あの世"ではなく、〝この世〟ということは、人々の"今"暮す”この"集団の社会ということです。
すると集団で楽しむ行為に人々の注目は集まります。 歌舞伎や常磐津などの浮き世、即ち現世のことを扱う芸能一般が江戸で隆盛を極めるのです。
相撲もそうですね。参勤交代の単身赴任者が多かったことも一因でしょう。
このためか、江戸の文化の特長は家族で楽しむものより、同好の士が集まって楽しむものが多いという傾向があります。
その内容も、政局ものやロマンチックなものが人気でした。人々は家族単位ではなく、興味や趣味による集団を形成したのです。
(本文より引用)
④この本が気になった方への2冊はこちら
『芸術とは何か』
千住博が答える147の質問
千住 博著
祥伝社新書
『千住博の美術の授業』
絵を描く悦び
千住 博著
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。