こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本を選んだ理由
憲法に興味があり、安く購入できたので、この本を選びました。
②こんな本です
『いちばんやさしい 憲法入門』
初宿 正典 他2名
有斐閣アルマ
はじめて憲法を学ぶ人に向けた入門書。
ただ知識を得るだけでなく、憲法の考え方が身に着くように、映画や小説、漫画、新聞記事など具体的な素材を出発点に主要なテーマを解説。
③ こんな言葉が印象に残りました
表現の自由の一般論的な説明をしておくと、表現の自由は日本国憲法の保障する人権のなかでもとりわけ重要度の高いものといわれています。
これを「表現の自由の優越的地位」などといいます。
その理由としてふつういわれるのは、次の3つの点です。
① 人間はコミュニケーションしたいという本性 (人格的欲求) をもっているから、表現の自由をむやみに規制すると、この本性を否定することになってしまいます。
携帯メールや長電話も人間の人格的欲求なのだから、親は怒るかわりに電話会社に値下げを要求するのがスジだというわけです。
② 多様な意見が自由に発表され、人々がそれらを自由に批判したり反論したりする場(「思想の自由市場」 という呼び方をします)が保障されてはじめて、人間社会が進歩し真理に近づいていくことができるのです。
表現の自由を制約すると、正しい意見がヤミからヤミに葬られるかもしれないし、たとえ間違った意見であっても、みんなが批判して淘汰 (なくしていくこと)すればいいのだから、いずれにしても表現の自由を制約することは許されません。
とりあえずみんなでわいわい議論して、他人を納得させたものがその時点では「正しい」 というしかない、ということなのです。
もちろん社会の多数派は、自分たちでどんどん新しいアイデアを発表できるほど賢くはないでしょうが、古い常識にとらわれずに、柔軟に新しいアイデアに耳を貸すことはできるのです。
自分では偉いつもりのお役人や「学識経験者」たちが、密室の中で何が正しくて何が間違いかをふり分けるのに比べると、大勢で考えたほうがよっぽどマシだというわけです。
③ 民主主義と表現の自由は不可分一体ですから、憲法が民主主義という政治体制を掲げるからには、表現の自由を保障するのは当然です。
民主主義が本物の民主主義といえるためには、とくに少数意見の発表の自由が必要不可欠です。
民主主義というのは、たえず少数意見にも多数意見となるチャンスを確保している政治体制のことです。
多数派が今たまたま多数派だからというだけで、これから先も少数派に逆転されないように、少数意見を発表しにくくすることができるのでは、民主主義の自殺行為です。
だから表現の自由は、法律という多数派の意思によって自分に都合よく制約されてはならないということになります。
(本文より引用)
④この本が気になった方への2冊はこちら
『憲法とは何か』
長谷部 恭男著
『高校生のための憲法入門』
斎藤 一久著
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。