とがブログ

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出生体重で子どもの将来が決まるのか?

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、経済学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


出生体重で子どもの将来が決まるのか?

 


低体重で生まれてきた赤ちゃんは、 幼少期だけでなく成人してからも、さまざまな健康上の問題を抱えがちであることが知られていました。

 


この現象の背景にあるのは、母体の中で胎児として過ごす時期が生涯にわたる影響を及ぼすとする「胎児期起源説」で、イギリスの疫学者、バーカー教授によって提唱された考え方です。

 


この「胎児期起源説」によると、胎児の頃の健康状態は、生まれてからの長期にわたる健康状態と深く関わっており、その影響は幼少期には明らかでなかったとしても、大人になってからよりはっきりとした形で現れます。

 


たとえば、低体重で生まれると中年期以降に糖尿

病や心臓病を発症しやすくなるそうです。

 


そして、出生時の低体重の悪影響は、健康面にとどまらないのではないかという懸念が経済学者の研究によって示されています。

 


たとえば、出生時に低体重で生まれた子どもは、幼少期の問題行動が多く、学力面で問題を抱え、成人後も所得が低くなりがちであることが報告されています。

 


これらの研究では、低体重で生まれた子どもと、そうでない子どものその後の成長を比較することで、出生体重と学力などとの関係を調べているのですが、気をつけなければいけないのは、ここから直ちに低体重が原因で、その後の学力などに問題が生じたと結論付けることはできないということです。

 


すでに説明したように、子どもの低出生体重の原因の一つには、お母さんの喫煙や飲酒といった行動が挙げられます。

 


現代では、妊娠中の喫煙や飲酒が胎児に悪影響を及ぼすことは広く知られていますが、それを知っていながらも喫煙や飲酒をしてしまうお母さんが、子どもの発達に理想的な子育てをしてくれるとは考えにくいでしょう。

 


したがって、低体重で生まれた子どもの学力に問題が生じがちであることの原因が、低体重にあるのか、お母さんの子育ての仕方にあるのか明確な区別がつけられません。

 


ノルウェーの研究では、こうした問題を解決するために、双子、特に一卵性双生児たちに注目しました。

 


一卵性双生児は基本的に全く同じ遺伝情報を持っていますから、顔貌もよく似ているのですが、 出生体重には多少の差があります。

 


一卵性双生児の間で、その後の学力や成人後の所得を比較し、それが出生時の体重とどのように結びついているかを調べるのです。

 


双子の間での比較なので、遺伝情報も家庭環境も全く同一であり、出生時の両者の違いは体重だけですから、この方法で出生体重の純粋な影響がわかるのです。

 


分析の結果、出生体重が重いほど、出生時の健康状態は良く、生後1年間の生存率も高いことがわかりました。 やはり、出生体重は健康状態を表す重要な指標のようです。

 


そして、将来のIQや高校卒業率、所得にも影響があることがわかりました。具体的には、出生体重

が10%増えると、20歳時点でのIQは0.16高く、高校卒業率は1%上がり、所得も1%増えるそうです。

 


遺伝や家庭環境といった要因を取り除いても、出

生体重が子どもの将来に無視できない影響を及ぼしている可能性が示されました。

 


ただし、この結果が双子ではなく、単体児にも当てはまるかどうかは明らかではないことには注意が必要です。

 


したがって、低出生体重が原因となってその後の人生に悪影響を及ぼすかどうか、完全には結論が出ているとは言えません。

 


重要なのは、低出生体重の背景にどんな原因があるかです。 もし低出生体重の原因が、胎児や妊婦の病気であったり、貧困やダイエットによる栄養不足であるのならば、子どものその後の人生に悪影響を及ぼす可能性があります。

 


妊娠中のお母さんの健康状態・栄養状態が子どもの一生に少なからず関わってくるわけですから、妊娠中のお母さんはいつも以上にご自身の健康に気をつけてください。

 


また、家族や周囲の人が、妊娠中のお母さんに配慮することには大きな意味があるので、積極的に手を貸してあげるようにしたいですね。

 


感想

 


確かに、重要なのは、低出生体重の背景にどんな原因があるかだと思いました。

 


また、体重が少ないのは大人でも問題になるし、当然かもしれません。

 


下記の本を参考にしました

 


『家族の幸せ』の経済学 

  データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実

  山口 慎太郎著

  光文社新書

 

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