こんにちは。冨樫純です。
独学で、経済学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
キャリア女性ほど 「結婚のメリット」 は減っている
さまざまな面で経済的な「結婚のメリット」がどんどん減ってきていると考えられていますが、その中でも大きいのは、結婚して子どもを持つ費用が上がり続けていることです。
子どもを持つことは大きな喜びである一方、経済的な費用を伴います。そして、この費用、特に暗黙の費用は人によって大きく変わります。
高学歴でキャリアのある女性ほど、子育てによって暗黙のうちに失われる収入は大きくなりますから、そうした女性が、子どもを持ちたいと思わない、ひいては、結婚したいと思わなくなるのも無理のないことです。
結婚し、子どもを持ちたいと思う女性にとっても、その子どもによって、自分のキャリアが犠牲になってしまうことは無視できる問題ではありません。
仕事を始めてから十分な経験を積み一人前になる前に子どもを持つことは、自分の仕事を失うことにつながりかねません。
せめて、キャリアに対するダメージは小さなものに抑えたいと考えるのは当然のことです。
自身の仕事と家庭生活を両立させるために、出産とそれにつながる結婚を遅らせようと考える女性が増えてきたことが、初婚年齢の上昇に表れているのでしょう。
未婚率の上昇を考える上でもう一つ重要なのは、結婚から得られる「分業の利益」がどんどんと小さくなってきていることです。
「分業の利益」が大きいのは、夫と妻で得意なもの、苦手なものが大きく異なる場合です。 夫の給料が妻より何倍も高く、一方で、妻の家事・育
児の能力は夫よりも何倍も高いような夫婦をイメージしてください。
この夫婦は、夫が働いて、妻が家事・育児を担当すればお互いにとってメリットが大きいことがわかると思います。
こうした状況は、かつての日本ではたしかに当てはまりました。しかし、現代においては、女性の学歴も上がり、高い収入を得る女性も増えてきています。収入面における男女差が小さくなってきているのです。 賃金構造基本統計調査によると、男女雇用機会均等法が制定された1985年時点では、女性は男性の60パーセントの賃金しか得ていませんでしたが、次第に格差が縮小し、2018年には73.8パーセントまで上昇しています。
一方で、家事・育児の能力については、男女差が小さくなってきたとは言い難いかもしれませんが、家電やサービス業の発達によって、そもそも自分たちで行う家事の総量が少なくなってきています。
料理が苦手なら、外食するなり、 惣菜を買うなりすればいいわけです。 皿洗いは食洗機に任せて、洗濯は乾燥機付き洗濯機にやらせましょう。 掃除だって、ルンバがそこそこいい仕事をしてくれます。
待機児童問題は深刻なままですが、昔に比べれば保育園の数は大幅に増えましたから、育児の一部を家庭外で行うことは当たり前になってきています。
世の中が便利になるにつれて、家事・育児能力の家庭における重要性が低下してきているのです。
感想
子育てがキャリアの犠牲にならない方法があればいいと思いますが、現実には難しいと思いました。
下記の本を参考にしました
『家族の幸せ』の経済学
データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実
山口 慎太郎著