こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
仕事場の違い
日本の国会に提出される法案のおよそ3分の2は内閣提出法案である。
提出するのは内閣を代表する総理大臣である。
立法はもちろん国会の仕事であるが、そのもとになる法案を国会に提出するのは総理大臣の大切な仕事である。
これに対してアメリカでは、立法は連邦議会の仕事であり、大統領が総理大臣のように 「内閣を代表して議案を国会に提出」 することはできない。
ただし、大統領には法案の拒否権が与えられている。しかし、それは何かをやめさせる権限であ
り、何かを始める権限とは大きな違いがある。
立法に関して、大統領にできることといえば、知り合いの連邦議員に頼んで、大統領の望む法案を議会に提出してもらうことぐらいである。
立法に関して、一方は積極的な役割を果たし、他方は消極的な役割(拒否権発動)しか果たせない。
このような仕事の違いのために、両者の仕事場もまた少し違ってくる。
テレビで総理大臣の姿を見ることは多いが、なかでもよく見かけるのは2つの場面である。
1つは国会議事堂においてである。 国会の本会議場には 「ひな壇」 と呼ばれる席があり、そこに議長席をはさんで一列に椅子が並んでいる。
議員席の方から見て議長席のすぐ左隣が総理大臣の指定席であるが、そこに座っている総理大臣をよく見るはずである。
また近年、党首同士が討論するという機会が設
けられた。 もう少し狭い部屋で、野党党首と向き合って討論するが、あれも国会議事堂の中の委員会室である。
もう1つの場面は総理大臣官邸である。 総理大臣官邸は、2002年4月に新官邸へと引っ越した。
総理大臣官邸のホームページを見ると、新官邸と旧官邸のバーチャル・ツアーに出ることができる。
総理大臣が他の大臣と談笑している姿がよくテレビで流されるが、あれは官邸の一室である。
要するに、総理大臣は国会議事堂と総理大臣官邸という2つの仕事場をもっているのである。
これに対して、アメリカの大統領の仕事場はもっぱらホワイトハウスである。 連邦議会のあるキャピトルヒルに出入りすることはあまりない。
ただ、一般教書や予算教書を連邦議会に読みに行き、望ましい政策や予算を勧告する機会はある。
そのときは満場の拍手で迎えられるのであって、このことはまさに議会にとって大統領が「お客さん」であることを意味している。
感想
仕事場が全然違っていて、驚きました。
大統領の仕事場にも影響して見えます。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ