こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
誰がコストを引き受けるのか
個別の企業は、 あまりにひどい公害をまき散らして利潤を追求するならば、 最後には経済全体がダメになることを理解できるとしよう。
それがわかれば、利潤第一主義を見直して、公害を出さない努力もしなければならないと考えるだろう。
しかし、ここで問題が発生する。
自分だけが公害を出さない努力をしても、他の企業が同じように努力をしなければ自分の所だけが商売以外のことに金や時間をつぎ込んだ分だけ、競争上不利になると考える。
むしろ、他のすべての企業が公害を出さない努力をしてくれて、自分だけは今までどおり「あこぎな商売を続ける方がよいと考える。きわめて合理的な考え方である。要するに、自分はフリー・ライダーになりたいと考えるのである。
しかし、皆が同じように合理的であれば、結局公害は減らず、最終的には経済活動全体が停滞する。
そうであれば、誰にもただ乗りをさせずに、公害を減らす努力を強制してくれる仕組みが必要だということになる。
このような仕組みの第1の候補は、財界組織である。 経団連が、個別の企業に献金額を割り当てて、献金を集め自民党に寄付をしていたのは、このように経済界全体の利益を守るためであったとされる。
経団連を通しての政治献金は、資本主義経済を守るための保険金だと財界人はよくいった。
個別企業や業界の利益ではなく、まさに経済界全体の利益のための分担金であった。
財界の主役、 経団連は、資本主義を守るための斡旋人の役回りを演じてきたともいえよう。
経団連が、規制緩和や税制、環境問題について積極的に発言したり行動したりしてきたのはこのためである、とも考えられる。
感想
たしかに、誰かがコストを引き受けてくれれば、こんな都合のいいことはないと改めて思いました。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ