とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

トクヴィルの懸念

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、政治学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


デモクラシー社会の危険性

 


トクヴィルアメリカのデモクラシーが理想的であるといったわけではない。むしろ、デモクラシー社会には固有の危険性があり、これをいかに免れるかが、トクヴィルの課題であった。

 


ただし、平等な諸個人から成る社会がしばしば無秩序に陥ることに警告を発した保守主義とは違い、トクヴィルは権力の集中こそがデモクラシー社会に固有な危険であると考えた。

 


「多数者の暴政」や「民主的専制」とはまさしく、彼の懸念を示す言葉であった。

 


デモクラシー社会において、伝統的な権威は否定されるが、それに代わって社会の多数者の意見が力をもつ。

 


また富と財産の追求こそが人々の関心事となり、物質的快楽へと社会の価値が均質化する。

 


結果的に一元化した世論はかつてない権威をもつようになる。

 


しかも、個人は伝統的な社会におけるつながりを失い、自らの内に閉じ籠る。

 


このことをトクヴィルは利己主義と区別して個人主義と呼んだが、そのような個人は、他者と協力するよりはむしろ、絶対化した権力の「柔和な専制」に唯々諾々と服従する。

 


感想

 


富と財産の追求こそが人々の関心事となり、物質的快楽へと社会の価値が均質化する。

 


という箇所がおもしろいと思いました。

 


富と財産以外には価値がないという風潮は根強くあると思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『西洋政治思想史』

 宇野 重規著

 有斐閣アルマ

 

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