こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
バーグの議会・政党論
バークの考え方は、有名な「ブリストル演説」 にもうかがえる。
バークによれば、選挙区ごとに選ばれるとしても、議員はあくまで国民全体の代表であって、選挙区の代表ではない。
ひとたび選ばれたならば、議員は選挙区の利害を離れ、広く国民的な視野に立って行動しなければならないのである。
また、議員はあくまで自らの思想信条に従うべきであり、選挙民によって議会が拘束されることがあってはならない。
議員は委任や代理を受けた存在ではなく、それゆえに頻繁な選挙も望ましくない。
人口が極端に少なくなったいわゆる腐敗選挙区の是正にも、バークは消極的であった。
イギリス国制の本質は、人民の利益を実現するためのエリートによる統治にあり、その鍵は議会にある。
議会は王と民衆の結び目にある存在であり、そうである以上、王からも民衆からも独立していなければならない。
議会が民衆の感情を適切に反映するためにも、主の影響力による腐敗はあってはならない。 バークはあくまで議会の独立を強調した。
バークは政党論についても、大きな足跡を残している。 伝統的に、政治における党派や派閥は否定的にとらえられてきた。
党派とは文字通り部分利益であり、公共の利益よりも自分たちの個別利益の実現をはかる存在とみなされてきたのである。
これに対し、党派についてのとらえ方を大きく転換させたのが、ヒュームである。
ヒュームは、自由な国家には党派はつきものであり、否定すればむしろ自由も失われるとした。
これを受けて、国家が十分に大きければ、むしろ利害や意見を多様化させることで、党派の弊害は避けられると主張したのが 「ザ・フェデラリスト」である。
バークもまた、このような議論の系譜に属する。 バークにとって政党は、イギリス国制において政治的バランスを保持するものであった。
彼の定義によれば、政党とは共通の原則や原理によって結ばれた、国家の利益を実現するための人間集団であった。
ここに部分的利益としての党派は、近代的な意味での政党に大きくその性質を変えたのである。
以上からも、バークの議会論や政党論が、伝統的なイギリス国制の構造改革をめざすものであって、人民主権論とは性質を異にすることがわかる。
感想
議員はあくまで自らの思想信条に従うべきであり、選挙民によって議会が拘束されることがあってはならない。
議員は委任や代理を受けた存在ではなく、それゆえに頻繁な選挙も望ましくない。
という箇所がおもしろいと思いました。
議員は国民の代理人ではないので、民意を政治に反映させなくても良いのです。
下記の本を参考にしました
『西洋政治思想史』
宇野 重規著
有斐閣アルマ