とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

「幸福の加算」と「不幸の減算」 という発想

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


「幸福の加算」から「不幸の減算」 へ

 


幸福の加算という発想は功利主義以来、根強いものがある。

 


それは、1つには幸福の増大がただちに不幸の減少を意味すると理解しているからだ。

 


学問としては功利主義批判から出発した社会学という学問の潮流のなかには、幸福と不幸とがメカニズムとしては同時進行していくとの見方が有力だ。

 


たとえば、M.ヴェーバーは、形式合理性が進んでいくと実質合理性が同時に衰退していくと見ていた。

 


しかし、幸福を増やしながら不幸を減らすこともできるとの見方もある。

 


哲学者の市井三郎は、快の総量を増やすことを指向するよりはむしろ、それぞれの時代に特有な苦の量を減らす、という方向に視座を転換すべきではないだろうかと提案する 。

 


それは幸福の加算計算が難しいからというわけではない。

 


そうではなくて、ある人の幸福の増大が他の人の不幸を余儀なくすることがあるからだと見る。

 


だから、「各人が責任を問われる必要のないことから受ける不条理な苦痛を減らさなければなら

ない」。

 


苦痛一般をではない、不条理な苦痛を、である。

 


歴史の進歩とはそのようなものだし、そのようなものとして見なければならないのではないか、と。

 


不条理な苦痛という人類の不幸は、その時代時代によって様変わりする。

 


現代でいえば、グローバリゼーションにともなう不幸が時代に特徴的な不幸である。

 

 

 

感想 

 


「幸福の加算」、「不幸の減算」 という発想自体がおもしろいと思いました。

 


個人的には、不幸を減らす方を重視したいと思います。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

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