とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

性別役割分業家族とは

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


戦後社会における性別役割分業家族とジェンダー

デザイン

 


では家族はどうなったのか。

 


山田昌弘は、1945年以降の日本社会の家族を、「戦後家族モデル」 を機軸として把握する 。

 


戦後家族モデルとは、山田によれば、「夫は仕事、妻は家事・子育てをおこなって、豊かな家族生活をめざす」 というモデルである。

 


このモデルは、「夫父は外で一生懸命に働き、母は家事・育児に励み、子どもは勉強してよい学校に入る」ことで 「幸せな家族=豊かな生活」が実現できると、人びとに示した。

 


豊かな生活は、家電製品やマイホームなどを購入・消費することで獲得できると考えられた。

 


この山田のいうところの戦後家族モデルは、日本版近代家族といってよい。

 


落合恵美子も同様に、人口学的視点から「女性の主婦化」 等の特徴をもつ家族のり方を. 「家族の戦後体制」として把握し、 この確立を 「20世紀近代家族が日本でも成立した」ことを示すものと位置づける。

 


この山田や落合が 「戦後家族モデル」 「家族の戦後体制」などと呼ぶ戦後日本の家族のあり方を、 ジェンダー視点から 「性別役割分業家族」と呼んでおくことにしよう。

 


性別役割分業家族観には、「男は仕事、女は家庭」という役割分業に関するジェンダーだけではなく、もっとも重要な「男らしさ」の要素を 「働くこと=経済力」に求めるジェンダーが含まれている。

 


同様に、もっとも重要な「女らしさ」の要素を「家族に対する愛情に満ちたケアの与え手」に求めるジェンダーも含まれている。

 


この「男らしさ」「女らしさ」 は、「幸福な家庭生活」の重要な構成要素でもあった。

 


そこでは、「幸福」は「男女の愛情にもとづく結婚」 にこそあるという、セクシュアリティ・結婚・家族に関わる観念も含まれていた。

 


このような家族観は、 アメリカなどの西欧諸国のライフスタイルへの憧れや都市中間層文化への憧れもあって、戦後の政治的・経済的・社会的混乱から立ち直りつつあった日本社会の多くの男女にとって、「豊かさ」の象徴となった。

 


しかし他方において、このようなジェンダーは、「経済力がない男は男として失格」 「結婚できない女や子どもがいない女は女性として一人前ではない」等の、性別役割分業から外れた男女を否定的に評価する人間評価基準としても機能したことも忘れるべきではない。

 


この評価基準は、現代にまで持続性をもち、私たちのアイデンティティ形成にも大きな影響を与えている。

 


感想 

 


性別役割分業から外れた男女を否定的に評価する人間評価基準としても機能したことも忘れるべきではないという箇所が印象的でした。

 


これが、男女の生きづらさを原因だと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

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