とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

社会学から見た労働

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


社会学から見た労働

 


「働く」とは何を意味する言葉だろう。

 


たぶん、「働く」というと、多くの人が賃金労働のことを連想するだろう。

 


人間にとって賃金労働が必ずしも不可欠だとは思わない。

 


しかし、現在、この労働が、多くの人にとって、不可欠なものに見える、あるいはそう思われていることも確かであろう。

 


産業革命以来、賃金を求めて働くことは、それまで以上に人間の生活の大きな部分を占めるように

なってきたからである。

 


しかし、人間にとって賃金労働以上に重要なのは、衣食住、さらに育児や介護も含む生活にかかわる労働ではないだろうか。

 


これがなければ、人間は生きていけないからだ。

 


ドイツの女性学研究者であるマリア・ミースたちは、こうした生命の維持や生存のための活動、さらに生活そのものを意味する言葉としてサブシスタンスという用語を使っている。

 


付け加えれば、こうした労働の多くは、賃金が支払われていない、いわゆるアンペイド・ワーク(不払い労働) である。

 


しかも、この労働は、しばしば女性に割り当てられている。人間の生活の存続にとって何よりも重要であるにもかかわらず、その担い手という点で、ジェンダーの偏りがあるのだ。

 


このアンペイド・ワークをどう評価するかも、労働をめぐる重要な課題だ。

 


さて、社会学の観点から近代社会における労働という問題を考えるとき、一つの重要な課題があ

ることに気がつく。

 


それは分業という問題だ。人間は自給自足の生活をしている場合でさえ、ある程度、他の人の活動に頼る必要がある。

 


たいていの場合、共同・協働という社会的活動が介在するのである。

 


しかも、そこには役割分担にもとづいた相互支援の仕組みがある。

 


しかし、近代社会に入ると、この分業は、ときに強制的で固定的なものになり、自由で自発的な分業とはかけ離れたものになってしまった。

 


自由で自発的な分業と相互支援による人間関係は、もう私たちにとって不可能なのだろうか。

 


感想

 


賃金労働だけが労働だとはぼくも思いません。

 


また、アンペイド・ワークを重要視し、評価していいと思います。

 


下記の本を参考にしました 

 


ジェンダーで学ぶ社会学』  

 伊藤公雄 牟田和恵編著

 世界思想社

flier(フライヤー)