とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

新たな教育観

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


さらなる教育拡大と「自己実現

 


教育は拡大し、同じ世代の97%が高校に進学し、そのほとんどが卒業し(同世代の 95%)、約60%が大学・短大に、10数%が専門学校に進学する、つまりほぼ4人に3人の若者が20歳になるまで、ほとんど連続して学校にいる。

 


そういう社会が出現することになった 。

 


しかし、このように成熟をとげてきた学歴社会は、同時に、長い間強い批判も浴びてきた。

 


受験教育の元凶とみなされてきたためである。

 


また、 実際にそれを改革しようとする政策もたびたび採られてきた。企業に、学歴や学校歴を採用の基準としないように促す勧告が、政府の審議会などからたびたび出された。

 


入試制度や教育制度の改革を通じて、詰め込み暗記中心の教育を変えようという試みも続いてきた。

 


とくに、1990年代の教育改革を通じて強調されたのが、個性尊重の教育であり、子ども1人ひとりの「関心・意欲・態度」を重視する教育であった。

 


そして、このような教育改革を導いたのは、「教育は、子どもたちの『自分探しの旅』 を抜ける営み」だという教育観であった (第15 期中央教育審議会第一次答申、1996年)。

 


「生きる力」 =「自ら学び、自ら考える力」の育成が、学歴社会=詰め込み教育を転換するためにめざされた。

 


そして、 学校週5日制の完全実施や、 それにと

もなう教育内容の削減、「総合的な学習の時間」の導入、「関心・意欲・態度」を評価する評価方法の徹底といったことがおこなわれた。

 


さらには、偏差値教育の是正として、公立中学校からの業者テストの排除や、高校入試、大学入試の多様化(テストの得点だけによらない推薦入試やAO入試の拡大など)などもおこなわれた。

 


学力テストの点数という一元的な物差しだけで評価する仕組みを変えようとする試みが始まったのである(もちろん、18歳人口の減少による受験競争の緩和という背景もあった)。

 


これらさまざまな教育改革には、多様な意味が込められていたが、1つの共通する方向性は、「自己」の尊重・重視であった。

 


「自分探しの旅」 「自ら学び、自ら考える力」「自己理解」「自己実現」など、自分=自己を基点において、「自ら進んで自分自身を高め

ていく」 自己像が前提となっていたのである。

 


そして、 「本当の自分探し」 や、 誰もが「自己実現」をめざすことが奨励されるようになった。

 


感想

 


「自分探しの旅」 「自ら学び、自ら考える力」「自己理解」「自己実現」という教育観の背景を学べました。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

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