こんにちは。冨樫純です
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル 男性学とは?
「男性学 (men's studies)」という用語、まだ一般には聞きなれない言葉だと思う。
もちろん、「男性学」が「女性学(women's studies)」に対応して誕生したものであることはいうまでもないことだろう。
「女性学」は、男性中心にできあがっている社会に対し、これを女性の目から批判的に解剖するた
めの学問として成立した。
これまで、男性の視点によってさまざまな偏向(バイアス)を受けてきたものの見方・考え方などを含む文化の構造や、このバイアスに基礎をおいてできあがっている社会や政治・経済の仕組みを、女性の側から切り崩していこうというのが、女性学の主要な課題であったと思う。
そこには、この男性中心社会が、女性にとって居心地の悪い社会であるという指摘とともに、この男性中心にできあがった社会を変えたいという、強い実践的志向が存在していたはずだ。
それでは、男性学とは何か?
女性学にならっていえば、この男性社会を男性の目で読み直すための学問とでもいえるだろう。
男性たちもまた、この男性中心社会の中で、必ずしも人間らしい。生活を満喫してきたわけではない。
むしろ、「男らしくあれ」という圧力のもとで、窮屈な思いをしてきたといってもいいだろう。
しかし、多くの男性たちは、自分たちが女性に対する「層としての抑圧する性」であることに無自覚であるだけでなく、自分たちもまた、「男らしくあれ」という要求のもとで抑圧されてきたことに、これまで十分に自覚的ではなかったと思われる。
男性社会に対して、女性学は、女性の目で、この社会を批判的に解剖することで、これまで見えなかった女性の社会的・文化的・政治的・経済的排除の構造と、さまざまな差別や抑圧を明らかにしてみせた。
ちょっと大袈裟にいえば、その成果は、これまで「あたりまえ」のこと、「自然」なことのよう
に思われていたさまざまな事柄をひっくりかえし、社会的・歴史的な転換を人間に迫ることにさえなったといってもいいだろうと思う。
この転換は、男性中心の社会の見直しを、女性に対してのみならず、男性に対しても要求することになった。
男性中心の社会は、女性に対して居心地の悪い社会であると同時に、男性にとっても、必ずしも快適な社会とはいいがたい。
しかも、女性運動の展開の中で、これまでの「既得権」とはいっても、多くの男性にとって、それは必ずしも「既得権」の上にあぐらをかいていた男性たちにとって、その生き方が問い直しを迫られているのだからなおさらだ。
男性学は、こうした時代の要請の中から生まれたといっていいだろう。
つまり、男性学は、男性の視点から、この男性社会を批判的に解剖することを通じて、男性にとってより、人間らしい、生活を構想するためな実践的な学問ということになるのだろう。
感想
男性として生きにくいと感じたことのある人は
、少なからずいると思いますが、そういう人にとっては「ささる」学問だと思いました。
下記の本を参考にしました
『男性学入門』
伊藤 公雄
作品社