こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
現実の競争の問題点―ルール設定の確立
基本的な問題点について指摘しておこう。
それはルール設定に関することである。
日本の現実においてはこのルール設定が実にあいまいになされていることが非常に多い。
事実的な競争の条件としては、第一にルールの設定は(さまざまな委任や委託といった媒介はあるにしても)基本的には、競争に参加するメンバーの合意に依っていることが挙げられる。
さらにルールや評価基準の明確化、競争に参入する際の「機会の平等」性などが問題になる。
こうした観点から見ると私たちの社会においてなされる競争は実に大きな問題を抱えていることがわかる。
たとえば、このところ声高に叫ばれている「グローバル・スタンダード」による「能力主義」の導入にしても、まず第一に雇われている人間を評価する方法や基準のルール設定について、労使が話し合いの下に合意して導入されている企業がどれくらいあるだろうか。
いわば経営者側の一方的な押しつけになっている場合が多いのではないだろうか。
第二にもし能力がないと判断され、最悪の場合リストラの対象になったとすると、いまの日本では(とくに私のような中年になればなおさら)再就職の機会が非常に困難だ。
ココでダメならアチラでがんばろうといった意欲を保つことが著しく困難なほど雇用の多様化・流動化(=敗者復活のチャンス)が準備されていない。
さらに、そうした能力の判定にしてもその判断基準がキチンと開かれているかどうかはなはだあやしい。また、部下に対する上司の恋意的・主観的好悪の感情によって評価がなされる危険性についてのチェックも甘いようだ。
総じてこうした状況で「能力主義」による「競争原理」でもって社会を動かしていくことは、そこで賃金を得て生活する大部分の人びとの「生」にとって著しい不利益を帯びさせる危険性がある
と私は考える。
感想
日本は、一度レールを外れたら、敗者復活が難しい社会だと言われますが、確かにそうだと思いました。
ぼくも転職した経験がありますが、新卒で最初の就職が、一番待遇が良かったと思います。
下記の本を参考にしました
『ジンメル・つながりの哲学 』
菅野 仁