こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本を選んだ理由
社会学を独学で学んでいて、女性学にも興味があり、そういえば、田嶋 陽子さんも女性学の学者だったのを思い出しました。
彼女の本は読んだことはなかったので、読んでみようと思いました。
②こんな本です
『愛という名の支配』
田嶋 陽子著
どうして私はこんなに生きづらいんだろう。
母から、男から、世間から受けてきた抑圧。
苦しみから解放されたくて、闘いつづけているうちに、人生の半分が終わっていた。
自分がラクになるために、腹の底からしぼりだしたもの―それが“私のフェミニズム”。
自らの体験を語り、この社会を覆い尽くしている“構造としての女性差別”を解き明かす。
すべての女性に勇気と希望を与える先駆的名著。
③こんな言葉が印象に残りました
結婚が制度としてあるかぎり、なまじ、「愛」はこの制度を温存させるのに役立つだけです。
女の人は、このことをきちんと自覚しておいたほうがいい。
私に言わせれば、恋愛結婚ができたからよけい困ったことになった、と言えます。
私の祖母のころは、それまで顔も知らなかったような人と結婚させられたりしました。ですから、ドレイになり尽くしてはいたけれど、魂までは売らなかったのではないか。
ところが、恋愛して結婚すれば、女は愛の名のもとにただ尽くすだけですから、男社会にとってこんなに得なことはないわけです。
それでも、女にすれば恋愛結婚のほうがずっとうれしいのです。少なくとも、好きな相手を選べる。
おなじドレイになるなら、おなじ尽くすなら、好きな人に尽くしたい。
ですから、恋愛結婚によって結婚が楽しみになったかわりに、より搾取されやすくなったという考え方も可能です。
むかしは恋愛結婚と言えば、家や親にそむいて好きな相手を、ということで、けっこう反社会的なニュアンスが強かったし、そのために小説が書かれたり歌がよまれたりもしました。
自分のセクシュアリティを生きるために、親や家族や社会に反旗をひるがえし、それゆえに自由と勇気が讃えられもしたわけですが、でも、その結果、結婚という制度にはいることで、飛んで火に入る夏の虫、制度の温存にはかえってそのほうが好都合だったというわけです。
(本文より引用)
④この本が気になった方への2冊はこちら
『女ぎらい 』
『エトセトラ VOL.2』
山内 マリコ 他1名
エトセトラブックス
⑤感想
上野さんと似たようなことをいうことを想定して読み進めました。
やはり似てはいましたが、言い方が違っているせいか、上野さんの方が学者っぽくてぼくは好きです。
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。