こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。
感想も書きたいと思います。
話題 恋愛とコケットリー
「コケットリー」と題されたエッセイにおいて、女性が男性に媚態を示すことに潜むコミュニケーション的意味を分析する。
コケットリーとはおもに女性が示す「媚態」のことである。
視線で誘うようで顔は正面を見ず若干背けていたり、肌を見せるようで隠していたり、男性の求愛を受け入れるようで誘いに乗らなかったりするような女性の態度をさす。
性的魅力を単にあからさまに振りまくセクシーな女性とは異なり、「コケティッシュ」な女性は、曖昧な表情やしぐさ、思わせぶりな態度や視線で男性を魅了する。
ここには恋愛が帯びる遊戯性という特徴があますところなく表現されている。
男性もまた女性のコケティッシュな態度に魅了され、「この戯れそのものに魅力を見いだす」ことによって、恋愛は「真に遊びの領域に高まる」のである。
コケットリーとは、いわば男性の求愛に対して、「イエスとノーの同時性」を表現し、「選択を未決定のままにしておくこと」によって、一般的にみて、男性に対して力関係において劣位に置かれている女性が、少しでも優位性を保とうとする技法なのである。
いわばコミュニケーションのイニシアティブを女性が握ることによって、かろうじて男女の関係の均衡性は保たれる可能性が生まれる。
しかしコケットリーは、男女の不均衡な関係を対等に保とうとする知恵であるばかりではなく、関係そのものを楽しむ関係という社交的コミュニケーションの端的な形式として理解されるのだ。
「いま・ここ」の関係のあり方を味わう、享受するということが恋愛の本質を形作る。
一方、結婚という関係には、夫婦の愛情関係、生活の維持や子育てさらには親の面倒をみるなどといったさまざまな社会的要素が付加してくる。
それに比して恋愛は、お互い同士のコミュニケーション自体の外部に目的をもたないという意味での純粋性をその本質とする。
感想
恋愛結婚が肯定的に捉える風潮がありますが、本来恋愛は遊びだと考えると、遊びの延長で結婚するということになるのだろうかと思いました。
下記の本を参考にしました
『コミュニケーションの社会学』
長谷 正人 他1名
有斐閣アルマ