とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

ジェンダーと教師

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


教師と生徒の相互作用に見る男性の優位性

 


学校生活における教師と生徒のやりとりのなかにも、ジェンダーの問題が見いだされる。

 


欧米ではジェンダーの観点から教師と生徒の間の相互作用を観察した実証的研究が数多くなされ、それらの多くが、教師と生徒の相互作用には子どもの性別によって違いがあることを明らかにしている。

 


以下、欧米の研究成果を紹介しよう。

 


まず、教師からの子どもたちに対する働きかけについては、女子よりも男子のほうが注目されており、より多くの賞賛や叱責、援助を受ける傾向があることが、多くの調査によって明らかにされている。

 


子どもたち自身の活動についても、男子のほうが授業中により活発に発言し、議論に参加している。

 


教師との相互作用において男子が優先される傾向を背景として、積極的に発言する行動的な女子生徒以外、多くの女子は一部の男子のように騒ぎを起こしたりすることもなく、良くも悪くも教師の注目を引くことが少ない。

 


そうした「おとなしい」女子たちは、教室のなかで目立たない存在となりやすいのである。

 


また教師は、女性と男性に対するステレオタイプ・イメージにもとづいて、生徒たちを評価し指導をおこなう。

 


たとえば教師には、生徒のもつ個性の多様性に目を向けるよりも、女子生徒は 「従順だが、いじわる」、男子生徒は「自立心はあるが、乱暴」といったステレオタイプでとらえる傾向がある。

 


また、いわゆる「女らしさ」「男らしさ」概念に適合する子どもとそうでない子どもというカテゴリーで生徒たちを類型化して認識し、女性・男性として「典型的でない」生徒を「異常」な存在として問題視することもある。

 


とりわけ、「めめしい (sissy)」と定義された男子生徒は、教師から疎んじられるという。

 


日本では、こうした教師・生徒間の相互作用に関する実証的な研究はまだ少ないが、日本の学校においても生徒の性別による同様の偏りが見いだされつつある。

 


感想

 


欧米ではジェンダーの観点から教師と生徒の間の相互作用を観察した実証的研究が数多くなされ、それらの多くが、教師と生徒の相互作用には子どもの性別によって違いがあることを明らかにしている、という箇所がおもしろいと思いました。

 


なぜここに注目したのかも知りたいです。

 


下記の本を参考にしました 


ジェンダーで学ぶ社会学』  

 伊藤公雄 牟田和恵編著

 世界思想社

 

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