とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

道具としてのメディア文化

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 

 


コミュニケーション・ツールとしてのメディア文化

 


1990年代の日本社会において、宮台真司たちによる、新たな「コミュニケーション」研究が出現した。

 


そこではもはやメディア文化(少女マンガ、大衆音楽、性行動)は、コミュニケーションによって伝達されるものとしてではなく、対人的なコミュニケーションのための単なる「ツール」や「モデル」として扱われる。

 


たとえば宮台によれば、1970年代の乙女ちっくマンガ、つまり「ドジでブスだけどそんな君が好きだよ」と憧れの男の子に告白される少女を主人公にした少女マンガは、読者たちが「これって私」と感じて、それを自分の日常生活の恋愛コミュニケーションの「モデル」にするために読まれたのであり、サザンやユーミンなどのニューミュージック作品は、若者がデートというコミュニケーションの雰囲気を盛り上げる(シーン・メイキング)ために利用された「ツール」にすぎなかったという。

 


つまりここでは、私たちの日常生活の人間関係がもはや伝統的な社会関係を基盤にするのではなく、最初から音楽やマンガなどをめぐるメディア的「コミュニケーション」を前提として成立すると考えられているのだ。

 


このようにして1990年代以降の私たちは、コミュニケーションという言葉をマス・コミュニケーションとしてよりも、日常生活の対人コミュニケーションの意味で使用するようになった。

 


私たちの地域社会、家族関係、友人関係自体が、伝統的なタテ社会の関係を抜きに、最初からメディアを介した、一般的で対等なコミュニケーションによって成り立つようになったからである。

 


だから若者たちは、ケータイを介して頻繁に取り交わされるコミュニケーションによって、直接的な親密さで結びつくというよりも、互いに個としての相手を気遣うような「友だち地獄」と呼ばれる)緊張感と閉塞感に包まれてしまうのではないか。

 


感想

 


ツールに過ぎなかったマスメディアが、その影響力を増して、支配している感じもします。

 


下記の本を参考にしました

 


『コミュニケーションの社会学

 長谷 正人 他1名

 有斐閣アルマ