こんにちは。冨樫純です。
「人間は利己的か」についてのコラムを紹介します。
人間は経済合理的に行動するだけではないというのを、心理学の実験で示そうとしたところがおもしろいと思いました。
長い間、人間は基本利己的で合理的に自己利益を追求する存在、という人間像が前提としてとりわけ経済学などの領域で掲げられてきた。
実際、市場での大勢の個人を分析した研究によって「合理的自己利益追求」は支持的結果が得られている。
しかし、ゲーム理論の進展に伴い、さまざまなゲームが研究手法として用いられるようになり、少人数の個人の意思決定が俎上に乗せられるようになると、合理的自己利益追求性を基本とするモデルのあてはまりが悪くなった。
そこで、人は他の人々と依存関係にあるとき、他者の行動や利益に配慮する社会的選好に基づき行動が起きると考えられるようになった。
社会心理学や行動経済学のテキストに必ずといってよいほど登場する「囚人のジレンマ」は、このような研究の代表的地位を占める。
社会的選好研究は、他者の意図に関する選好と他者への分配に関する選好に大別できる。
「囚人のジレンマ」ゲームは、依存関係にある相手(共犯者)が協力するか否かを考えて自分がどうするか意思決定するものであり、前者である。
後者の代表例としては独裁者ゲームが挙げられる。
これは(実験者から与えられた)手持ちのお金を相手に分け与えるかそれとも独占するか、決定権を
もっている者が決めるゲームである。
これまでゲームを用いた研究が数多くなされ、そこから不平等回避性モデルなどが提唱されてきた。
下記の本を参考にしました
『心理学』新版
無藤 隆 他2名