とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

貨幣の特徴

こんにちは。冨樫純です。

 


本を紹介します。

 


①この本を選んだ理由

 


社会学を独学で学んでいます。

 


社会学者として有名なジンメルについて、わかりやすく勉強できそうなので、読んでみようと思いました。

 


②こんな本です

 


ジンメル・つながりの哲学 』

   菅野 仁著

   NHKブックス

 

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社会になんとなく疎外感を抱くことはないか。

 


自分の居場所などないと思えたり、自由に生きることを阻む檻のように感じたり…しかし、社会はあらかじめ存在するのではなく、人と人の日々のコミュニケーション=相互作用の集積から生まれるもの、そう考えれば、おのずと社会との関係の結び方が見えてくる。

 


そして、「私から社会へ」を考えることは“ほんとうの自分”を振り返ることにつながる。

 


個と社会の問題にこだわり、よりよく生きる道を模索したジンメル思想を現在を読み解くツールとして捉え直す、気鋭の社会学者によるスリリングな試み。

 


③こんな言葉が印象に残りました

 


貨幣の特徴としてまず興味深いのが、この「潜勢力」あるいは「可能状態」「資力」というジン

メルの理解だ。

 


私たちにとって貨幣は、未だかたちを与えられていない「可能性そのもの」として直観的に理解

されており、このことが貨幣という存在の要だとジンメルは考える。

 


ほかの富、土地についても自動車にしても貴金属にしても、ある形態をもち(ジンメル的表現によればある「性格づけ」がなされている)、したがってそれに伴なったある「制限」が課せられる。

 


しかしほかのあらゆる富と違って、貨幣だけはこうした制限をまぬがれている。

 


だからお金をもつということは、「可能性そのも

の」をもつということなのだ。

 


もちろんその量が大きくなればなるほど(金額が多ければ多いほど)「可能性」は広がる。

 


だから宝くじなどで一億円を手にすることが約束された人間にとっては、「これで○○が買える」という具体的な使いみちがまず頭に浮かんでそのことが嬉しいというよりも、まず、一億円という「可能性そのもの」が自分のものになることが嬉しいという場合が圧倒的に多いのではないだろうか?

 


つまり貨幣は、自分たちのいろいろな欲望の実現を約束してくれる「潜勢力」として大きな魅力をもつ。

 


(本文より引用)

 


④この本が気になった方への2冊はこちら

 


『友だち幻想 』

   菅野 仁著

   ちくまプリマー新書

 


ジンメル・コレクション 』

   ゲオルク ジンメル 他2名

   ちくま学芸文庫

 


興味を持ってくれた方はいるでしょうか?

興味を持った方は、是非読んでみてください。