こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本を選んだ理由
政治学を独学で学んでいます。
大学生のテキスト、入門書として有名なものらしいので、読んでみようと思いました。
②こんな本です
『政治学』(New Liberal Arts Selection)
久米 郁男 他2名
政治とは何か、政治学とは何か。
政治を、「本人」「共通の目的」「代理人」という3つの要素に注目し、現在の日本を題材として整理・解説した教科書。
主催者である国民(本人)が政府(代理人)を雇って自らの利益の実現(共通の目的)をはかるという観点に立ち、政治の課題から、政治理論、統治のしくみ、行政学・地方自治、国際政治、何がデモクラシーを支えるかまでを、体系的に解説する。
政治学諸分野の知識や考え方、対象とする問題を、政治学全体の中に位置づけた。事実関係やデータなどをアップデイトし、補訂。
③こんな言葉が印象に残りました
ライカーとオーデシュックは、彼らの投票の説
明(方程式)の中に、投票コストという概念を入れた。
このコストが意味するところを考えてみる必要があるだろう。
選挙での投票コストには、投票に行くためにかかる金銭的なコスト(投票所が遠いのでバスに乗るなど)や、物理的なコスト(大雨の日に投票に行って、ずぶ濡れになってしまうなど)がある。
これらの投票コストは投票率を下げるであろう。
実際、政治学者の田中善一郎は投票日の各地の天候を調べ、雨が降っていた選挙区ほど投票率が低い傾向があるという相関関係を発見した(田中善一郎, 1980)。
また、投票に行くために私的な用事を犠牲にすることも、投票コストが上がり投票率を下げる。
従来の投票時間だと、午前7時に投票所が開場し午後6時には閉まったので、結婚式や法事などがある家族は、自分たちにとって大切な出来事のために、投票に行くために時間をとることが不可能になっている。
朝からデートのためのドライブに行く若い人や、仕事のお得意様とゴルフに行く人は、投票するためにはかなり無理をしなくてはならない。
これらの投票のためのコストは、もし投票を優先すれば自分のやりたいことの機会を奪われることになるので、機会費用(機会コスト)と呼ばれている。
この機会費用を軽減するような制度的な改善策によって、投票率が上がることも考えられる。実際、日本で投票制度を改正したことによって投票率が上がった例がある。
1998(平成10) 年の参院選から、投票時間を2時間延長して午後8時まで投票所を開けておくように改正された。
さらに、不在者投票の条件も緩和し(従来は仕事上の出張などやむをえぬ理由以外は不在者投票の理由にならなかったが、買い物やゴルフでもよくなり、理由を尋ねないことにした)、不在者投票の
受付時間も、区市町村の役所内に設置されている選挙管理委員会の閉まる時間を、午後5時から延長して、午後8時まで受け付けるようにした。
(本文より引用)
④この本が気になった方への2冊はこちら
『現代政治理論』新版
川崎 修 他1名
有斐閣アルマ
『政治学』
川出 良枝 他1名
⑤感想
ページ数が多いので読み切るのに時間がかかりますが、教科書なので、一通り政治学を勉強するにはいいと思います。
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。