こんにちは。冨樫純です。
「裁判員制度で変わる司法」についてのコラムを紹介します。
裁判員制度が裁判の迅速化をもたらしているというメリットがあることに少し驚きました。
制度の目的は裁判の敷居を下げることや市民感情を少しでも反映させることだと思っていたので。
原則として裁判官3人裁判員6人の合計9名が合議して事実認定や法律の適用、有罪無罪の判断、量刑の決定まで行うという、国民の本格的な司法参加の制度が裁判員制度である(被告人が争っていない場合に簡略バージョンとして裁判官1裁判員4という場合もある)。
裁判所の本音は素人さんに邪魔されたくない、というものだったはずだが、裁判員制度を作る以上は裁判官よりも少ない人数では素人参加の意義がうすれるから、裁判官より1名多い裁判員4名というのが当初の案であった。
ところが、野党や日弁連の側は陪審制に近づけるべきだという考えであったので、結局のところ法律のように3対6に落ち着いたわけである。
相手が6人の素人だと、裁判官も良くも悪くも自分たちのペースで審理をすすめるわけにもいかなくなる。
少なくとも、裁判官は裁判員に事実関係や法律の構成要件へのあてはめ、量刑の妥当性などのすべてについてわかりやすく説明しなければならなくなるだろう。
加えて、裁判の迅速化という重要な副産物もある。
裁判員を長期間拘束するわけにはいかないので、裁判員が加わる事件では、あらかじめ「公判前整理手続」という場が設けられ争点が整理されるので、実際に裁判員が動員されるのは数日間だけで済んでいる。
なお、裁判員に課される義務として「守秘義務」があり、うかつにマスコミに内情をもらしたりして違反すると6月以下の懲役もしくは 50万円以下の罰金で処罰される。
判決後に裁判員の皆さんはしばしば記者会見に応じ、裁判にかかわったことの一般的感想を述べたりしておられるが、うっかり審理の模様を口にしそうになるケースがあるようだ (そのような場合、同席している地裁職員からストップがかかる)。
下記の本を参考にしました
『いちばんやさしい憲法入門 』
初宿 正典 他2名
有斐閣アルマ