こんにちは。冨樫純です。
「酒の統制今昔」についてのコラムを紹介します。
酒税は昔から重要な税だったのかと思いました。
酒は昔から、世界的に、製造するのも、販売するのも自由ではなかった。
イスラム教やキリスト教のいくつかの宗派では、宗教的理由から飲酒が禁止されている。
そこでは、酒は酔っぱらわせるもの、家庭不和のもと、社会の敵、といった道徳的理由が、強調されたのだった。
でも、その結果は酒の密造でマフィアが急成長しただけで、あえなく廃止となった(修正 21条)。
日本でも、許可なしに酒はつくれない。
酒屋(販売)を開業するにも許可がいる。
その条件は、資産があることや施設が十分であることなど厳しいものだ。
酒は、国にがんじがらめにされているのである。その理由は、お金。税金だ。グッと世俗的な理由である。
税金をしっかりとれるよう、自由に酒をつくらせない。確実に税金をとれるよう、資産のある人にだけ酒屋の営業を許すのだ。
これらの規制は、裁判で、いずれも合憲とされた(どぶろく裁判 = 最高裁判所平成元年12月14日第1小法廷判決・刑集43巻13号841頁,酒類販売免許制判決=最高裁判所平成4年12月15日第3小法廷判決・民集46巻9号2829頁)。
もっとも、経済的なグローバルスタンダードにしたがわなければ、日本のような貿易で食べている国はやっていけない。
たとえば、ウイスキーに高い税金をかければ、すぐさまイギリスから抗議される。
合意であるとしても、国際的圧力によって、このような法律を作ること自体が今では難しくなっているのである。
下記の本を参考にしました
『いちばんやさしい憲法入門 』
初宿 正典 他2名
有斐閣アルマ