とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

自殺マニュアルの是非

こんにちは。冨樫純です。

 


「自殺マニュアル」についてのコラムを紹介します。

 


個人的な意見ですが、自殺も自己決定権の一つだと思うので、法律で罰することもないと思います。

 


医学の発達によって、生命維持装置をつければ、まったく意識がないままでもかなりの期間生き続けられるようになったので、最近では「尊厳死」つまり「人間らしい死に方」をしたいと望む人も少なくない。

 


生きがいや希望を失って、もうこれ以上生きていたくないと思う人にとっては、『完全自殺マニュアル』(あまりお薦めできないので出版社は伏せておく)は、役に立ちこそすれ、決して非難すべき本ではない、ということになるかもしれない。

 


この本は、1993年の発売以来、ロングセラーとなっているそうである。

 


それはさておき、この本によると、結局いちばん確実で苦痛も少ない自殺方法は首吊りだと書かれており、実際、首吊り自殺をしたある若者の傍にこの本が置かれていたという事件もあった。

 


ただ、自殺は、いうまでもなく、他人の生命・貞操・所有物などに対する攻撃ではなくて、自分の生命に対する攻撃だという点である。

 


刑法では自殺そのものは罰せられず、他人に自殺を勧めたり助けたりする行為だけが犯罪とされている(刑法 202 条)。

 


しかし、『完全自殺マニュアル』のおかげで自殺がどんどん増加しても、国や社会は手をこまねいていればよい、ということにはなるまい。

 


ここにジレンマがある。

 


人間が自分の生命を断つことを自分の意思で決定する自由をもっているといえるかどうかは、「自己決定権」にかかわる重大なテーマのひとつだ。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい憲法入門 』

  初宿 正典 他2名

  有斐閣アルマ