こんにちは。冨樫純です。
「児童の権利条約」についてのコラムを紹介します。
「子どもたちを保護し、子どもたちの権利を保障すること」は大事なことだとは思いますが、なぜこの条約を導入することになったのか、その背景は気になるところです。
子どもたちを保護し、子どもたちの権利を保障することを世界の国々が約束した条約として、児童(子ども)の権利条約がある。
この条約には、日本国憲法には定められていない権利が、数多く定められている。
たとえば、意見表明権(12条)、休息、余暇の権利(31条)、心身障害を有する児童への援助(23条)、健康を享受する権利(24条)、などがそれにあたる。
日本も、遅まきながら1994年に、世界で158番目の国として、この条約を批准しており、この条約を守る義務を負うこととなった。
そこで、子どもたち自身が、この条約に依拠して、さまざまな主張をしてみたらどうであろうか。
たとえば、塾通いに追われている小学生やクラブ活動に追われている中学生が、「私にも休息・余暇の権利を!」と、また、両親が離婚に際して子どもの取り合いをしている場合に、その子ども自身が、「私にも意見表明権があるのだから私の希望も聞いてよ」と、また、暴力をふるったとして停学処分をうけた高校生が「一方的に処分するのではなく、こちらの言い分も聞いてくれ私にも意見表明権があるんだ」と主張してみたらどうであろうか。
せっかく児童の権利条約という子どもたちのための条約がつくられたのだから、おおいにこの条約を利用して、子どもたちの地位の向上を図ろうではありませんか。
さらに児童の権利条約の批准に触発され、高知県、川崎市、東京都世田谷区、富山県小杉町、岐阜市、滋賀県等、子どもの権利条例を制定する自治体が、増えた。
たとえば、「川崎市子どもの権利に関する条例」
は、「児童の権利に関する条約」の理念に基づき」「安心して生きる権利」(10条)、「ありのままの自分でいる権利」(11条)、「自分で決める
権利」(14条)等を定めるとともに、市政への子どもの意見を求めるために「子ども会議」を開催すると定めている。
下記の本を参考にしました
『いちばんやさしい憲法入門 』
初宿 正典 他2名
有斐閣アルマ