こんにちは。冨樫純です。
「動物当事者 アマミノクロウサギ訴訟」についてのコラムを紹介します。
農産物を荒らす動物の報道を見ても、動物にも訴訟を起こす資格があってもいいのではないかと思いました。
近年、奄美大島に生息するアマミノクロウサギを原告として、環境破壊の防止を求める訴訟が提起され、話題を呼んだ。
裁判所は、動物を原告とする訴訟は認められないとして、訴状の訂正を求めたが、原告側が応じなかったため、訴状却下の措置がとられたようである(その後、周辺住民を原告として訴えが提起されたが、これも原告適格を欠くとして却下されたようである)。
訴訟を提起するには、当事者能力が要求され、原則として法人格が必要である(法人格をもたない団体にも、例外的に当事者能力が認められることはある)。
動物に当事者としての能力を認めないのは通常は当然のことであるが、人間が居住していないような地域の開発を問題にする訴訟では、当事者適格を有する人間がいないこともありえ、そのような場合には、環境団体などに当事者としての資格を認めるか、そのような「環境」という公益を代表する主体として「動物訴訟」を(一種のユーモアを交えて)認める余地もあるのではなかろうか(アメリカなどでは認めた実例もあるようである)。
下記の本を参考にしました
『現代の裁判』第6版
市川 正人 他2名
有斐閣アルマ