とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

裁判所と病院

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、憲法を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


裁判を受ける権利

 


裁判所とは紛争解決のための機関であり、しかも紛争を法的に解決する機関です。

 


法律を解釈し適用して解決できる紛争なら、原則として何でも「診てくれる」はずです。

 


ただ、まともな治療 (「本案審理」といいます)を受けるためには、診察時間に行き初診受付で用紙に記入してからひたすら待つのにも似て、訴訟法と呼ばれる一群の法律で決められた要件を満たしている必要があります。

 


もっとも、国民には憲法で保障された 「裁判を受ける権利」 (32条)がありますから、裁判所は国民に極力人権その他の法的権利を実質的に保障するように努めなければなりません。

 


また、裁判が不公平で恣意的なものにならないようにするためには、裁判の公開(82条)がとても大事です。

 


病院の診察室や手術室を無関係の第三者が見学することはできませんが、裁判では刑事事件であろうと民事事件であろうと、一般国民に傍聴の権利が認められています(有名事件の場合、傍聴するために長い行列ができます)。

 


当事者のプライバシーを守るためには、裁判も病院と同じように密室でした方がいいのでしょうが、憲法ではむしろ裁判を公開することによって内容の公正さを確保すべきだという考え方がとられているのです。

 


また、憲法は 76条3項で、裁判官の独立 (司法権の独立) も定めています。

 


つまり、裁判所では、裁判所組織 (司法権) 全体が国会や内閣による干渉から独立していなければならないと同時に、個々の裁判官がそれぞれ独立して法律と自己の職業的良心のみによって裁判を行うという意味で独立していなければならない、ということなのです。

 


裁判の公開という制度は、上司の命令を聞く必要のない裁判官が、当事者だけでなく国民一般に説得力をもつような裁判を行うことを保障するためのものだと位置づけることもできるでしょう。

 


感想

 


裁判所と病院を対比させているところがおもしろいと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい 憲法入門』

 初宿 正典 他2名

 有斐閣アルマ

 

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