とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

介護保険制度の背景

こんにちは。冨樫純です。

 


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。

 


法律的なものです。

 


質問の内容は、主に女性目線からものです。

 


質問

 


介護保険制度があると聞きましたが、それはどのようなものですか?

 


介護サービス利用者の負担が重くなったという話も聞くのですが、それは本当ですか?

 


解答

 


従来、高齢者に対する公的介護サービスは、特別養護老人ホームなどの老人福祉制度(措置制度)と老人病院などの老人医療制度(保健制度)の2本立てで提供され、それらに要する費用も税金と医療保険料でそれぞれ別個にまかなわれてきました。

 


ところが、高齢化が急ピッチに進む中で、こうした従来の方式では介護システムを財政的に維持できないことが明らかになりました(措置制度の財源不足と医療保険財政の悪化)。

 


そこで、老人福祉制度の財源不足分は、増税よりも介護保険制度を導入して社会保険化をはかり、よりスムーズに財源を確保できる。

 


また、医療サービスのうちの老人介護の性格をもつ部分の費用については、介護保険を充当することによって医療保険財政の建直しをはかる。

 


こういった介護システムの財政再建のために構想されたのが介護保険制度です。

 


しかし、介護保険制度の導入についてはカンカンガクガクの議論がなされました。

 


議論の末にできた介護保険法は、介護を必要とする高齢者の急速な増大 (介護リスクの一般化)が予想される以上、公的介護サービスを多様、充実化させるとともに、その財源の確保をはかる必要があることはいうまでもありません。

 


しかし、その反面、介護保険制度が国民の負担を重くすることは否定できないし、現在の公的介護サービスの現状を考えると、せっかく保険科を払っても、それに応じた介護サービスを実際に受けられるかという不安もありました。

 


そうした問題点を抱えながらも、介護保険法は、1997年になんとか成立し、2000 年4月から実施に移されることになりました。

 


予想を超える高齢化の進展により、介護給付費が膨らんだことから、その抑制を主なねらいとして2005年にさっそく改正されました。

 


要介護度の軽い人を対象として、将来手厚い介護を受けずにすむように新たに介護予防サービス制度を導入したことと、特別養護老人ホームなどの施設に入居する人の食費·居住費を保険対象から外して原則自己負担化することなどを内容とするものです。

 


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ