こんにちは。冨樫純です。
「政治」についてのコラムを紹介します。
人間が言葉を使って共同の意思決定を行うというのは、現代でもそうだとは思います。
ただ、言葉を使っているので、本当に伝えたかったことが伝わらず、様々な誤解を生むことはあると思いました。
「政治」 という言葉には、ポリス特有の社会のあり方が色濃く反映されている。
ポリスはしばしば「政治的共同体(ポリティケー·コイノーニア)」 と言い換えられたが、あくまで平等な市民間の関係を指し、主人による奴隷の支配や家長による家族の支配とは区別されていた。
また、後にアリストテレスは人間を「ポリス的動物(ゾーン·ポリティコン)」と呼んだが、神々や動物と違い、人間が言葉を使って共同の意思決定を行うことを強調したものであった。
にもかかわらず、このような 「政治」 の含意はやがて暖味になり、今日ではもっばら人間集団、とくに国家や国家間における権力の配分やそれをめぐる争い一般を指すものとして理解されることが多い。
とはいえ現代においても、政治思想家のハンナ· アーレントは再び「政治」の原意にこだわり、人間の複数性に対応する人間の活動として政治を再定義している。
下記の本を参考にしました
『西洋政治思想史』
宇野 重規著
有斐閣アルマ