とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

国家の捉え方

こんにちは。冨樫純です。


「国家」についてのコラムを紹介します。


古代ギリシアにおいて、土地は国家の本質的要素とはみなされておらず、市民が他の場所へ移住する場合、国家もまた移動するとみなされた」というところがおもしろかった。


現代でいうと、海外旅行したら国家も移動するということになるのでしょうか。


プラトンの主著は「国家」 と訳されている。


とはいえ、この場合の国家とは、現代の私たちが理解している国家とは異質なものである。


現代語の国家は英語の state の翻訳であり、本来的には統治機構を意味する。


これに対し、プラトンのいう国家とはギリシア語でいうポリテイアであり、むしろ市民たちの集合体を意味した。


古代ギリシアにおいて、土地は国家の本質的要素とはみなされておらず、市民が他の場所へ移住する場合、国家もまた移動するとみなされた。


ローマのキケロも、やはり国家を正義と共通善によって結ばれた市民の集まりと定義している。


古代ギリシア語にいうポリスやポリテイア、さらにラテン語の res publica など、共通の紐帯によって結び付けられた市民の団体としての国家観こそが、古代ギリシアやローマにおける共通理解であったといえるだろう。


下記の本を参考にしました


『西洋政治思想史』

   宇野 重規著

   有斐閣アルマ