こんにちは。冨樫純です。
「対人魅力を決めるもの」についてのコラムを紹介します。
恋愛に限らず、人から好感を持たれたいと思う人には参考になると思いました。
① 外見
とくに関係の初期の段階では、外見が対人魅力を決める有力な要因となる。
ウォルスターら(Walster et al., 1966)は大学生の男女をランダムに組み合わせてダンスパーティーを開催したところ、男女とも、自分自身の魅力度にはかかわりなく、外見的魅力の高い相手に対して好意を抱くことが明らかになった。
また、外見がよいと、その人の性格も好ましいとする一種のステレオタイプが存在することも知られている。
ダイオンら(Dion et al., 1972)は、魅力度が高中低の男女の顔写真を被験者に見せて、いくつかの側面から評価を求めたところ、外見的魅力が高い人の場合のほうが、性格や職業生活などに関して好意的な評価を受ける傾向が認められた。
② 接触頻度
一般にある刺激を目にする頻度が高いという理由だけで、その刺激に対する好意度が増す傾向があることが指摘されている。
これを「単純接触(mere exposure)」の効果という。「見慣れた」他者の行動はある程度予測可能になることや、その他者と自分との態度が類似していると認知するようになることが、好意の高まる理由であると考えられている。
③ 誤帰属
なんらかの要因によって生理的喚起が高まっている場合、それが特定の相手のせいだと 「誤って」 解釈され、その相手に対する好意的感情が増すこととがある。
ダットンとアロン (Dutton & Aron, 1974) の研究によれば、谷底まで70mもある、恐怖をそそる吊り橋を渡っている男性観光客に、女性インタビュアが近づいて、いくつかの質問を行ない、後で電話をしてくれれば結果を教えると言って電話番号を書いたメモを渡した。
その結果、恐怖を感じないような石橋の上で同じ実験を行なった場合と比べて、後で実際に電話をかけてきた人の割合が多かった。
これは、吊り橋上の恐怖感による興奮を、眼前の美しい女性に対する(性的)興奮と誤って解釈したものと考えられる。
下記の本を参考にしました
『心理学』第5版補訂版
鹿取 廣人 他2名