こんにちは。冨樫純です。
「安楽死の権利」についてのコラムを紹介します。
個人的には賛成です。
本人や家族の意思ならば、なおさら認めるべきだと思います。
人工的な延命措置をとることなく自然に死を迎えることをしばしば「尊厳死」 という。
これに対し、医師に積極的に生命をたってもらうことを「安楽死」 という。
日本では、いまなお安楽死は認められていない。
末期ガンの患者などで余命いくばくもなく、大変な苦痛に苦しんでいる患者に対し、家族などの
申し出で医師が薬物を投与し死をもたらせたような事例では、医師は殺人罪で起訴されている。
そして、裁判所は、きわめて例外的に安楽死が許される場合があることを示唆しながらも、1度も
安楽死を適法と判断したことはないのである(東海大学安楽死事件 = 横浜地判1995 [平成8]·3·28 判時1530 号 28 頁)。
学説のうえでも、憲法上の自己決定権として安楽死の権利まで主張する声は少ない。
憲法は、生きるということに特別な価値を認めているので、人は勝手に自分の命を終わらせることは認められないという考え方が支配的だといえよう。
アメリカでも、医師による自殺幇助を憲法上の権利として主張し、自殺幇助禁止を憲法違反と争った事例があるが、合衆国最高裁判所は、生命維持装置の取り外しと、医師が生命をたつことは異なるとして、そこまでの権利を認めなかった。
しかし、オレゴン州では、医師による自殺幇助を認める憲法改正が州民投票で可決され、現在では医師による自殺幇助という形で安楽死が認められるところも現れた。
他の諸外国でも、オランダのように積極的安楽死を処罰しないところもある。
自己決定権とみるか、憲法13条の生命の権利とみるかはともかく、自己の生命をたつ自由も認めるべきときかもしれない。
下記の本を参考にしました。
『はじめての法律学』HとJの物語
松井 茂記 他2名
有斐閣アルマ