こんにちは。冨樫純です。
「デザイン思考の課題」についてのコラムを紹介します。
たしかに、マニュアル化されると新しいものが生まれにくいと思います。
ちなみに、デザイン思考とは、新しいものを生み出すプロセスとして、デザイナーの思考に注目してそれを定型化したものです。
大きくいえば形骸化し、同質化が起こり始めてい
るということです。
デザイン思考がこのところ安易に取り入れられています。
「要するに、このプロセスでやればOKでしょ?」という安易な気持ちでデザイン思考を使ったところで新しいものが生まれる可能性は高くありません。
にもかかわらず、便利なツールとして形骸化しはじめているのです。
その背景にはデザイン思考のプロセスが、やや定型化しすぎて受け止められているという問題点もあります。
たとえば、最初のプロセスでとる行動は、使用する人の意識を深く知るという目的であれば、「ユーザーを直接観察するエスノグラフィー」だけでなくてよいはずです。
しかしながら、デザイン思考が普及するにしたがって、絶対にエスノグラフィーをしなければいけない、といった発想の人をよく見かけるようになりました。
みなが同じ手順でアイデアを考えれば、当然ながら、アウトプットも似たようなものになる危険性があります。
それでは新しいものを生み出すために活用する思
考として、本末転倒になりかねません。
本来、デザイン思考も含め新しいものを考えるプロセスは形式化にふさわしくない概念です。
理解促進と普及のために、あえて形式知化されたものなのです。
それが誰でも使えるデザイン思考のよさでもあるのですが、逆に固定化も招いてきています。
あくまでもプロセスが大切なのではなく、根本思
想により意味があることを、私たちは忘れてはなりません。
そうでないと画竜点晴を欠くことになるからです。
下記の本を参考にしました
『東大教養学部「考える力」の教室』
宮澤 正憲著
SBクリエイティブ