こんにちは。冨樫純です。
「新しい渋谷土産を考える」についての提案を紹介します。
外国人がスクランブル交差点そのもの、さらにいえばスクランブル交差点を歩いている人たちに関心があることに驚きました。
①インプット
まず、彼らは「渋谷とは何か?」ということと「お
土産とは何か?」ということを掛け合わせる方向でインプットを進めていこうと考えました。
まず渋谷についてイメージ調査をしたところ、多くの人が「渋谷といえばスクランブル交差点」と考えていることがわかってきました。
さらに、「渋谷のスクランブル交差点にはどんな人たちが来ているんだろう?」と渋谷の街を観察してみました。
すると、外国人観光客が多数来ていることがわかりました。
では、外国人観光客がどこで何をしているのか?
調べたところ、109やハチ公にはあまり興味がなく、スクランブル交差点そのもの、さらにいえばスクランブル交差点を歩いている人たちに関心があることがわかりました。
彼らは、自撮り棒にスマホをつけて交差点を歩いて動画を撮影したり、あるいは交差点そばのビルにあるスターバックスの窓側の席に座り、上から交差点を撮影したりしていました。
そして、動画をSNSにアップして渋谷の街を楽しんでいました。
世界に例のない、人通りの多さで知られる交差点として海外で知られていたわけです。
外国人観光客がスクランブル交差点に興味があるのはわかったのですが、ここで彼らはふと疑問を持ちました。
「これだけ人が行き交い、信号が変わればたくさんの自動車が走るわけだから、かなり危険な交差点なのだろう」と。
そこで、ハチ公交番のおまわりさんに「スクランブル交差点って、やはり事故が多いんでしょうか?」とヒアリングに行きました。ここで大きな発見がありました。
おまわりさんの返事は「自分が勤務して以来、交差点での事故は聞いたことがない。事故がないから、事故の統計もない」という内容だったのです。
世界一たくさんの人が行き交うのに、事故がまったくない。外国人観光客たちはそんな「世界一安全な交差点」を評価し、世界に発信してくれているのではないか……と考えたわけです。
並行して、お土産について外国人観光客にヒアリングしたところ、「遠くから来ているので、あまり大きなモノは買わない」「旅の記憶を呼び起こせるし、他人との話題のきっかけにもなるので、バッグなどにつけられるものを買う」「日本ならではの和柄ものなどを買う」 ことなどがわかってきました。
そして、「持ち運びしやすい、小さな和柄のお土産」というまとめを行いました。
②コンセプト
「スクランブル交差点で事故が起きていないことに縁起を担いだお守りを作ろう」 ということでした。
ただし、ここで彼らの中に「お守りは日本の神社や寺境内で販売·授与される縁起物。
宗教性が強いので、外国人観光客には受け入れられにくいのではないか?」という不安が芽生えました。
そこで彼らは、明治神宮などに行き、外国人観光客にお守りを買うかどうかヒアリングしました。
すると、不人気どころか、お土産として非常に人気の高いものであることが判明。
不安は解消し、手応えをつかむことができました。
③アウトプット
この話を渋谷区に持っていき、実際にできたのがスクランブル交差点の形をしたお守りです。
表面には、細かいアスファルトの模様がデザインされています。
外国人観光客の皆さんが本国に帰り、このお守りを手にスクランブル交差点についての「物語」を語ってくれれば、「世界ー安全な交差点がある街、渋谷」というブランドづくりにもつながります。
ゆくゆくは渋谷にお守り販売ショップを作ろう。
そこでハロウィンバージョンやバレンタインバージョンなども出せたらいい、といった企画などもでていました。
下記の本を参考にしました