こんにちは。冨樫純です。
「夫の操縦術」についてのコラムを紹介します。
彼女は女性なので、一見、女性目線で書いている印象を受けます。
でも、説明して、納得してもらうあたりは、男女関係ないと思いました。
出産が近づいてきたので「育て方次第で夜泣きを防げるのならそうしたいなぁ」と思い、数冊の育児書を取り寄せて目を通していたところ、気づいたことがある。
「え、なにこれ、全部私が普段から彼にやっていることじゃん」。
やはり、私は夫のことを育てているらしい。
そうかなとは思っていたけれど、あまりにも同じ仕組みだったので笑ってしまった。
私は夫に直してほしいところや身に付けてほしい習慣があるとき、まずそれをしてほしい理由と、してくれないと困る理由を教える。
そして、その後は毎日、根気強く声がけをする。
食べた後の食器をすぐに流しに運ぶ習慣を身に付けてほしかったときは、なぜすぐに運ぶ必要があるのか、後回しにすると何が大変になり、どのように困ることになるのか、ということをまず説明した。
「すぐに水につけないとガビガビになって汚れがなかなか落ちなくなり、洗うのが大変になるんだよ」
「すぐに洗わないと虫が来ちゃうよ」「食べ終わった食器がずっとテーブルにあると、部屋がいつまでも食べ物のニオイがするから嫌なの」とい
うように。
一度説明したくらいで、大人の習慣はすぐには変わらない。
行動を変えさせるためには、さらに毎日の声がけが必須だ。
私は毎晩、まず彼が食べ終わった瞬間に「ご飯いっぱい食べたの、美味しかったの、作ってもらえて嬉しかったの、良かったね」と言いながら頭や類を撫でる。
それから「食べ終わったら、食器どうするの?」と訊く。
「ナオくんってすぐ片付けられる子なの?」と、いかにも期待した声で問いかける。
そして片付けたら、「よかったね、いい子に可愛くしてるから今日も美味しいご飯を作ってもらえて」と可愛がる。
もしも後回しにしようとしたら「後回しにしたら洗いづらくなるって言ったよね。
自分が洗わないからって、洗いづらくなってもどうでもいいと思ってるのなら、ひどいね。
ナオくんがそんな人なら、私は洗ってあげたい気
持ちがなくなる。
もう食器は自分で洗ってね」と言う。
夫はかなり片付けられる夫に成長した。
大前提として「私が家事をするのは、あなたが可愛いから」ということも、普段から説明している。
私は今、家事をすべて担当しているけれど、それを妻としての義務だとは思っていない。
ただ夫へのサービスとして行っている。
彼が可愛いから、可愛がってあげる行為の一環として、やらなくてもいいことだけど(義務でもなければ義理もない)洗濯やら炊事やら掃除をやってあげている。
なので「可愛くなければやらない」と考えていて、彼の態度が可愛くない日などは実際にやらない。
本人にやらせる。
たとえば、声をかけてもゲームに夢中で返事をしなかったり、頼みごとを後回しにしてきたり、冗談が意地悪だったり、「可愛い、大好き」と思わせてこなかった日、私は家事をやらない。
普段、当たり前にやってもらえていることを突然に「自分でやれ」と言われると「なんでよ!」と思うのが人のサガなので、彼は「えーなんで!」と言い出すのだけど、私は説明する。
「私がいつも家事をやっているのは、ナオくんが可愛いからだよ。ついサービスしたくなって、やってあげているだけ。
家事は私にとって別に義務じゃないし、やらなきゃいけないことじゃない。
態度が可愛くなかった場合はサービスする気なんか起きないから、やらないよ、そんなの。
今、押し付けられたみたいな、罰を与えられたみたいな反応したけど、大人が自分のことを自分で
するなんて当たり前で、いつもがすごく特別なの。
ナオくんは、この家のすべての家事をやって当然なんだよ」
そう言うと、彼は反省する。そしてその日の家事に取り掛かる。
自分の態度を後悔し、その後はかなり気をつけるようになる。
「いい夫」というのは、私に都合のいい夫のことだ。
私の都合は、私しか知らないことだし、どんな夫になることが正解なのかの答えは私の中にしかない。
生まれたばかりの赤ちゃんは「してはいけないことが何なのか」を知らない。
だからどんな悪いことをしようと、まずは怒る·叱るではなく「なぜ、してはいけないのか」「こんなとき、どうすれば良かったのか」を教えてあげるべきであるように、夫だって私との結婚生活で「してはいけないこと」や「するべきこと」が何なのかを、そもそもまだ把握できていない。
怒るのも、叱るのも、呆れるのも、嫌うのも、まずは説明してから。
こちらの希望をちゃんと理解されるまで説明して、把握してもらうことを私は心がけている。
その上で、彼がそれをないがしろにしたり、二人で決めたルールや約束を破るのならば、そのときにはじめて「ダメ夫」の烙印を押し、嫌いになると決めている。
下記の本を参考にしました