とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

全体主義とは

こんにちは。冨樫純です。

 

全体主義」についてのコラムを紹介します。

 

現代の北朝鮮や中国の政治体制が、イメージできると思いました。

 

全体主義とは、個人の全ては全体に従属すべきとする思想または政治体制の1つである。

 

この体制を採用する国家は、通常1つの個人や党派または階級によって支配され、その権威には制限が無く、公私を問わず国民生活の全ての側面に対して可能な限り規制を加えるように努める。

 

また、一般的にはドイツのナチズム、ソ連(とりわけスターリン時代)の共産主義体制、イタリアのファシズムを典型とする第一次世界大戦以後に現れた独裁的政治体制を指す。

 

この言葉は1930年代に西欧やアメリカで広く使われるようになっていたが、第二次世界大戦後、H. アレントの『全体主義の起原』(アレント, 1981/原著初版 1951) や C.J. フリードリヒと Z. K. ブレジンスキーの『全体主義的独裁と専制支配』 (Friedrich and Brzezins-ki, 1956)に代表される、ナチズムとソ連共産主義体制の類似性を強調する包括的な全体主義研究が相次いで現れた。
 
全体主義の特徴としては、独裁者に率いられた単一の指導政党の存在、公定イデオロギーによる強力な政治的動員、経済活動、メディア、宗教、文化、思想など社会生活の隅々に行き渡る「一枚岩」的な統制·画一化、暴力の容赦ない行使などがある。

 

こうして全体主義は、フランコ体制のスペインのような政治的動員や画一化的統制の度合が弱い独裁政権を示す 「権威主義」という概念とともに、現代の反リベラル·デモクラシー的政治体制の一類型を示すものとして定着していった。

 

全体主義の概念は、ナチズムとソ連共産主義体制との間の共通性や類似性を強調するが、そのことは、第二次世界大戦直後の西欧やアメリカでは、当時広く共有されていた絶対的な反ナチズム感情をソ連に対しても向けさせる効果をもった。

 

さらにこのころから、西側先進諸国の現状に対しても全体主義という言葉がしばしば使われるようになった。

 

直接的な暴力や明白な公定イデオロギーなどがなくても、大勢順応主義、メディアを通じた人々の思考や意識の画一化、社会全体の官僚制化といった傾向が蔓延し、自由の形骸化とデモクラシーの機能不全が全体主義的と呼びうるまでに深刻化しているというのである。

 

この用法では、全体主義という概念は、狭い意味での政治体制としてではなく、文明や社会のあり方の問題として使われている。

 

下記の本を参考にしました


『現代政治理論』 新版
 川崎 修 他1名
 有斐閣アルマ