とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

ポピュリズムとは

こんにちは。冨樫純です。

 

ポピュリズム(populism)」についてのコラムを紹介します。

 

日本でも、何人かのポピュリスト的な政治家が現れ、人気が先行していると、批判がありますが、
ぼくは、おもしろいと感じています。

 

ラテン語 populus に由来するこの言葉は、アメリカ合衆国では、19世紀の「人民党」 (Populistお Party) などの社会運動のイメージと結びついている。

 

アメリカのデモクラシーの原型は、植民地時代の直接デモクラシーであった。

 

全住民が参加する「タウン·ミーティング」は、今でも東部の一部地域で息づいているものの、合衆国の確立に伴って、政治は集権化され、連邦の力は強まった。

 

こうした流れを批判し、「民衆の声」 による統治を求めるのがアメリカのポピュリズムである。

 

それは、連邦政府の忌避など、行き過ぎた形態をとることもあるが、デモクラシーを支える重要な柱の一つでもある。

 

他方、ラテンアメリカでは、アルゼンチンで20 世紀に長く大統領を務めたJ.ペロンなどが、ポピュリスト的な政治家の典型とされる。

 

そこでポビュリズムとは、人気とり的な政策によって、独裁者が民衆の圧倒的支持を受けて登場することをさす。

 

ポピュリズムについてのネガティブなイメージは、主としてこうした経験に基づくものである。

 

最近、日本でも、何人かのポピュリスト的な政治家が出現したといわれる。その場合、実力よりも人気が先行すると目される政治家への疑念と、そうした政治家に期待する民衆の不見識への批判が込められている。

 

他方、原子力発電所や軍事基地などの立地上、大きな負相を強いられている地域で、直接投票による異議申立てが行われたが、これも代表制デモクラシーをないがしろにするポピュリズムと評されることがある。

 

しかし、この二つの現象は異なる側面をもっている。

 

「民衆の声」を代表する特定の誰かを求めるか、「民衆の声」は特定の人間によって代表されえないと考えるか、という大きな違いがそこにはあるからである。


下記の本を参考にしました

 

『現代政治理論』 新版
 川崎 修 他1名
 有斐閣アルマ