とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

共和制と共和主義

こんにちは。冨樫純です。

 

「共和制と共和主義」についてのコラムを紹介します。

 

君主制専制的支配や政治権力の私物化を招きやすいと思うので、共和制の政治の方が望ましいとぼくは思います。

 

共和制は、一般的には君主制の対立概念であり、共和主義も単に共和制を支持する思想だと思われるかもしれない。

 

けれども、政治思想史や現代政治理論においては、それだけでは収まらない意味の広がりがある。

 

政治思想史や現代政治理論において、共和主義の概念の中心におかれるのは、古典古代ギリシアのポリスやとりわけ古代ローマの共和制に政治のあるべき姿を求める思想である。

 

こうした思想の源流は、マキアヴェリに代表されるルネサンス期の 「政治的ヒューマニズム」 だといわれる。

 

共和主義の思想は、政治が支配者など一部の人々の私的な利益のためでなく、市民(国民)全体の共通の利益のために、つまり「公共のもの」のために為されるべきだということを強調する (それゆえ、もしそうした政治が為されるのならば君主の存在を必ずしも否定しないという用語法もある)。

 

だが、そうした政治はどうすれば可能なのだろうか。

 

一つの立場は、個々の市民が「徳」を身につけること、すなわち個々の市民が政治参加への積極的な意志と能力をもち、かつそれが私的な利益や野心の実現でなく共通の利益の実現へと方向づけられるというメンタリティ (公共精神)をもつことこそが重要だとする。

 

もう一つの立場は、個々の市民の資質に期待するのではなく、制度の工夫によって専制的支配や政治権力の私物化を防ぐという考え方である。


下記の本を参考にしました


『現代政治理論』 新版
 川崎 修 他1名
 有斐閣アルマ