とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

日本の植民地統治の特徴

こんにちは。冨樫純です。

 

「日本の植民地統治」についてのコラムを紹介します。

 

島国で国土も小さな日本は、イギリスと似たところがあると思いました。

 

日本は、日清戦争後の1895年に台湾を植民地化したのをはじめとして、1910年には韓国を併合し、45年にいたるまで両地域を植民地として統治した。

 

日本は、欧米諸国以外の国としては唯一植民地をもった国であり、また、その支配した主要地域が、漢字·儒教 仏教など歴史的日本と共通の文字や思想、宗教をもつ文化圏に属していた地域であったという点で、欧米のアジア·アフリカに対する植民地支配とは異なる特徴をもっていた。 

 

一般に、植民地支配のタイプとして、 植民地の社会や文化を本国と同じものにかえていき、本国の一部としてあつかおうとする同化主義と、植民地の社会や文化をあまりかえず、本国とのちがいを維持する非同化主義とがあるといわれるが、日本の場合は、第一次世界大戦の頃から、台湾や朝鮮に対して強い同化主義的な政策をとった。

 

たとえば教育についてみると、朝鮮、台湾の人びとに日本人としての意識をもたせるために、初等教育を整備して日本語による教育を強制した。

 

これは、イギリスの支配下のインドで、英語教育がもっぱら高等教育に限定され、初等教育については放任的であったのとは対照的である。

 

この同化主義はその後さらに強化され、1930年代後半からは神社参拝が強制され、朝鮮では姓を日本式に改める創氏改名などの 「皇国臣民化(皇民化)」政策もおこなわれた。

 

しかし、同化政策が進行しても、高等教育や就職における差別はきびしく、植民地の人びとの政治参加も、地方行政のせまい範囲に限定された。

 

経済的な面からみると、台湾は砂糖、朝鮮は米を中心とした農産品輸出で日本経済と結びつけられていたが、1930年代から農産物加工業を主とする工業部門が成長しはじめ、戦時期には重化学工業も発展した。

 

工業においては、台湾人 朝鮮人の民族資本もみられたが、規模は小さく、大工場では日本資本が圧倒的な優位を占めていた。


下記の本を参考にしました。
 
『新 もういちど読む 山川世界史 』
「世界の歴史」編集委員会 (編集)
 山川出版社