とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

デモクラシーと哲学

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、政治学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


デモクラシーと哲学

 


古代ギリシア人はいろいろなものを「発明」したが、とりわけ重要なのは、やはりデモクラシーと哲学である。

 


ちなみにデモクラシーとは「民衆の支配」、哲学とは「知を愛すること」を意味する古代ギリシア語に由来するが、なぜこの二つはギリシアの地に生まれたのか。

 


両者の誕生には何らかの関係があったのだろうか。

 


アテナイのようなポリスでも、かつては貴族による権力の独占が見られた。 これに対し次第に平民の地位が向上し、やがて自由で平等な市民による議論によって政治的意思決定がなされるようになった。

 


このことは、少数者による独占から公の議論へと、意思決定のあり方が変わったことを意味する。

 


このような開かれた社会的経験が、デモクラシーによって実現されたのである。

 


デモクラシーにとって、だれかに支配されるのではなく、 自分で自分を支配することが大切であったように、哲学にとっては、移ろいゆく世界にただ流されるのではなく、自らの知によって世界の背後にある変わらない原理を見つけることが重要であった。

 


万物は相互につながりを欠いたまま無秩序に存在するわけではない。 哲学者たちは現象を貫く法則や究極の原理を見出そうとした。

 


哲学が生まれたのは、ギリシアの中でもイオニアという地方であった。 前6世紀ごろ、 ギリシア人は活発に植民活動を行って新たなポリスを建設し、貿易を行ったが、そのようなネットワークが哲学の知の原動力であったことは間違いない。

 


その後、政治的・経済的発展を背景に、やがてアテナイが知的にも大きな拠点となっていく。

 


アテナイのデモクラシーが完成へと向かうころ、ソフィストと呼ばれる人々の活動が目立つようになった。

 


デモクラシーによって貴族ではない市民にも政治的な活躍の機会が開かれたが、ソフィストたちは、そのような人々が活躍するための能力として、政治的弁論をはじめとする幅広い知を、対価をとることで提供したのである。

 


ソフィストたちは、倫理の基礎づけや国家の根拠など、 あらゆる既存の制度やしくみ、価値観やルールの見直しを開始したが、それはまさにデモクラシーの発展と軌を一にするものであった。

 


とはいえ、それが社会秩序を脅かすものであったことも間違いない ここにアテナイは空前の知的動揺期に突入するが,そこに現れたのがソクラテスであった。

 


感想

 


デモクラシーと哲学が古代ギリシャで誕生したことを考えると、影響力のある時代だったと感心します。

 


下記の本を参考にしました

 


『西洋政治思想史』

 宇野 重規著

 有斐閣アルマ

 

 

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