とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

教養主義と出版不況

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


教養主義」の衰退

 


教養主義というのは、明治末期から大正にかけて当時のエリート養成機関であった旧制高校の教員や学生を中心として成立した文化的信念である。

 


その中心となっていたのは、思想書や文学書、哲学書の読書をとおして教養を身につけ、自分自身をつくりあげていくべきだとする規範的な要請であるとされる。

 


「大正教養主義」という言葉があるように、それがもっとも典型的な形で現れていたのは、大正期であった。

 


教養主義は、その後も形を変えながら、第2次世界大戦後 (敗戦後)の日本社会の高等教育機関の学生、つまり短大生や大学生を中心にして1970年頃まではかなりの影響力をもっていた。

 


そして、その教養主義イデオロギーの中核に含まれていた、「読書をとおしての自己形成」という信念が学歴エリートやその他の人びとの読書傾向や書籍に対する崇敬の念、ひいては書籍購買行動の背景にあったともいわれている。

 


実際、かつては硬派出版社の売り上げのかなりの部分を占めていた「定番的」な名作ないし名著と呼ばれる書籍の需要は、「多くの人びとが 『教養』 として共有すべき、コアとなる知識や思想の体系がある」という信念に支えられていたと考えられる。

 


また、現在ではあまり見られなくなってきたが、いわゆる 「名作全集」「教養全集」 あるいは 「教養講座」 などと呼ばれる出版企画も、そのような信念の存在を前提として企画され、また実際に相当程度の売り上げを示していた。

 


このように、出版産業のあり方とかなり密接な関係をもっていた教養主義が、戦後の高等教育の一般化や大衆消費社会の進展によって、1970年代以降になって衰退していったことは、比較的よく知られている。

 


感想

 


教養主義」の衰退が、出版不況の原因の一つだといいますが、個人的にはあまり説得力を感じません。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

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