こんにちは。冨樫純です。
「インダス文明とその衰退原因」についてのコラムを紹介します。
河川流域の文明なので、洪水説が説得力があると思います。
最初にインダス文明の存在が明らかになったのは、1921年のハラッパー遺跡の発見であった。
ハラッパー遺跡は、一定間隔を置いて見張り塔があったこと、煉瓦の周壁が城塞を囲んでいること、穀物倉や神殿が存在していること、排水施設があることなどが、明らかになった。
ただ、全体としての保存状態はきわめて悪い。地表に露出していた変わった形や材質の煉瓦を住民が生活の必要上使ってしまったり、イギリスが鉄道建設をする際、その基礎を敷くためにその煉瓦を大量に使うことで、遺跡が破壊されてしまったからである。
これに対して、ハラッバー遺跡の発掘とほぼ同時期に発見されたモエンジョ·ダーロの場合は保存状態は悪くない。
モエンジョ·ダーロの発見は世界有数の壮大な古代遺跡として、一躍インダス文明を世界的なものとした。
インダス文明は前2000年頃を境に衰退をはじめ、前1900年から前1800年頃までに既存の都市の活動は段階的に停止してしまう。
衰退の原因としてアーリヤ人侵入説があったが、さまざまな証拠の検討から現在では否定されている。
インダス文明の時代にはゾウ、サイ、ワニなどの野生生物も棲息し、森林にも恵まれた環境にあったともいわれることから乾燥化説(砂漠化が進行したとする)もあり、そのほか洪水説、地殻変動によるインダス川の流路変更説、塩害の影響説、などの諸説があり、決定的な説はない。
下記の本を参考にしました。
『新 もういちど読む 山川世界史 』
「世界の歴史」編集委員会 (編集)
山川出版社