とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

派遣労働者、パートタイム労働者の社会保障

こんにちは。冨樫純です。

 


「雇用の流動化と社会保障(社会保険)」に関してのコラムを紹介します。

 


社会保障制度に関するニュースを見る時、役立つ知識だと思います。

 


産業構造の高度化に伴う就労形態の多様化により、パートタイム労働者、派遣労働者などが増加している。

 


このような雇用期間が短期間か断続的にしか継続しない労働者は、社会保障制度、特に社会保険制度において、どのような資格を取得するか。

 


まず、労災保険法では、労働者の所定労働時間や年収による適用除外の問題は生じないため、これら短期的断統的労働者が通常のフルタイム労働者と異なる扱いをされることはない(労災3条1項)。

 


これに対して、雇用保険法では、短期雇用特例被保険者と短時間労働被保険者という被保険者類型が存在する。

 


注意を要するのは、これらの被保険者類型に該当しない労働者には雇用保険法の適用がないことである(雇保6条)。

 


短期雇用特例被保険者とは、季節的業務に期間を定めて雇用される者または季節的に入·離職する「季節的に雇用される者」ないし同一の事業主に引き続き雇用される期間が1年未満の雇用に就くことを常態とする者をいう(同38条)。

 


短時間労働被保険者とは、1週間の所定労働時間が20時間また時間以上であり、1年以上引き続き雇用されることが見込まれる者をいう。

 


次に、健康保険および厚生年金保険では、適用事業所において常備的な使用関係にある労働者に被保険者資格が付与される。

 


この使用関係は労働日数、労働時間あるいは就労形態などを総合的に勘案して認定され、1日または1週の所定労働時間と1ヵ月の所定労働日数が、当該事業所における同種のフルタイム労働者の4分の3以上の者について、被保険者資格を付与するというのが実務上の扱いである。

 


したがって、労働時間と労働日数につき4分の3という基準を満たさない者および2月以内の期間を定めて使用される者など被保険者除外事由に該当する場合(健保13条ノ2, 厚年 12条)には、以下に述べる被扶養者と認められない限り、国民健康保険の適用受けると同時に、国民年金の第1号被保険者となる。

 


すなわち、それぞれの保険料の支払義務が生じる。

 


健康保険および厚生年金保険の被扶養者と認定されるためには生計維持関係の存否が問題となる。

 


行政通達では、認定対象者の年収が130万円未満であって、かつ被保険者の年収の2分の1未満であ

る場合には被扶養者に該当するものとする。

 


この基準により被扶養者と認定されれば、健康保険の被扶養者となると同時に、国民年金の第3号被保険者となり、直接的な保険料の支払義務は発生しない。

 


健康保険および厚生年金保険におけるこれらの取扱いについては、問題が生じる。

 


年収 130万円未満の者であっても、単身の場合には生計維持要件が妥当しないことから、健保または国保いずれかの保険料と国民年金1号被保険者としての保険料の支払義務を負うことである。

 


下記の本を参考にしました。

社会保障法有斐閣 加藤 智章著