こんにちは。冨樫純です。
何年か前に、ハーバード白熱教室と題したテレビ番組がありました。
そこで、人気のサンデル教授の講義を見て、政治哲学というものに興味を持ちました。
ぼくと同じように興味を持った人は多いと思います。
今になって、哲学や倫理学を学びたいと思い、まず、ネットで調べてみました。
今回のテーマは、哲学と倫理学の違いです。
①倫理学は哲学の中の1部門です。
現在では 「哲学」 には、広い意味での使い方と狭い意味での使い方があります。
広い意味での哲学は大きく2つに分けることができます。
理論哲学と実践哲学です。
読んで字のごとく理論哲学は理論的なことを扱います。
例えば、人間はどうやって真理を認識することができるのかとか、世界はどうなっているのかとか、時間とは何か、神や霊魂は存在するのか、などなどです。
これに対して実践哲学は人間の行為 (実践) に関わることを扱います。
人間は何を為すべきか、人はどう生きるべきか、
人間が従うべき規範 (ルールや法則) は何か、
善いこと悪いこととは何か、正しいこと不正なこととは何か、何が許され、何が許されないのか、
それらを判別する基準は何か、そもそもなぜ善いことをしなければならないのか、などなどについて考えていくのが実践哲学です。
このように広い意味での哲学には理論哲学と実践哲学が含まれているわけです。
そして狭い意味での哲学というのは、このうちの理論哲学のほうを指しています。
これに対して実践哲学のほうが倫理学になります。
②実証科学になれなかった学問の中で、理論的な問題を扱うのが哲学で、実践的な問題を扱うのが倫理学です。
日本の大学の学科名称も広い意味の場合と狭い意味の場合があります。
東京大学や東北大学などは文学部の中に哲学科と倫理学科があります。
(東大の場合はさらに美学科も別に分かれています)
しかし、多くの大学では倫理学科は存在せず,哲学科しかないという場合が一般的です。
私の個人的な意見を言いますと,
東大のように哲学科と倫理学科を分けてしまうのはいかがなものかという気がします。
というのも、実際の研究者たちを見てみると、
理論的なことだけを扱っている人や、実践的なことだけを扱っている人というのはまれで、だいたい皆さん理論的なことと実践的なことどちらも研究しているからです。
だから 「あなたは哲学科に進みますか倫理学科に進みますか」 と選択を迫るのではなく、みんな一緒に哲学科に進んでおいて、その中で理論的なことも実践的なことも学ぶ、というのが理に適ってもいるし、現状に合ってもいるように思うのです。
以上のことを踏まえると、倫理学だけを研究している倫理学者というのは意外と少ない、ということがわかってもらえるでしょうか。
倫理学者と呼ばれている人たちは,実は 「倫理学もやってる哲学者」 なのです。
下記のサイトを参考にしました
https://blog.goo.ne.jp/masaoonohara/e/06b1ffbb355726cbda562fa178c8455d