こんにちは。冨樫純です。
「わが国の政権交代」に関するコラムを紹介します。
筆者の言うように、単に政権を取り、大臣の椅子に座って、それを維持することさえできれば、政策の一貫性などどうでもいいのであろうかと、ぼくも思います。
1993年当時の細川内閣の国民福祉税構想に代表されるように、数年来の大きな政治的問題であり、自民党と社会党の大連立政権誕生の1つのきっかけともなっていた税制改革が、1994年ついに1つの決着を見た。
消費税率の 5%への引き上げがその主要な内容である。
以下では、1994年の税制改革の評価それ自体を議論するよりも、ここ数年の各政党の税制改革に対する反応に注意しておきたい。
1980年代の後半に消費税が導入されようとする時点で、あれほど反対をしてきた社会党が、政権政党になり、総理を出すとともに、とたんに消費税の引き上げを容認した。
また、1993 年の後半に自民党が野党に回って以来、80年代の後半に消費税の導入に主導的な役割を果たした自民党が、当時の細川政権の国民福祉税構想=消費税率の引き上げに反対し、それ以降、政権を取り返すまで、消費税率の引き上げに消極的であったことも、記憶に新しい。
野党であった自民党が消費税の引き上げに反対し、与党になった社会党が消費税の引き上げを容認するという、それまでの両党の行動からすれば、理解できない行動が、現実に観察されたのである。
いったい、政党はそれ自身の独自の理念を持っているのであろうか。
それとも単に政権を取り、大臣の椅子に座って、それを維持することさえできれば、政策の一貫性などどうでもいいのであろうか。
政党の行動原理をどう理解するかは、政権交代の可能性があるときに、マクロ経済運営がどのように影響されるかを議論する際の出発点である。
下記の本を引用しました。